「子宮頸がんの進行速度」はご存知ですか?検査法や治療法も解説!【医師監修】

「子宮頸がんの進行速度」はご存知ですか?検査法や治療法も解説!【医師監修】

子宮頸がんの検査法

子宮頸がんの早期発見・早期治療には、子宮頸がん検診の受診が重要です。
ただ、婦人科の検査を受けることに不安を覚える方もいるかもしれません。あらかじめ、どのような検査が行われるのかわかっていれば、不安も軽減されるでしょう。
ここでは、子宮頸がんの検査法について解説します。

腟拡大鏡診

子宮頸がんの検査では、細胞診という一次検査が行われます。この細胞診で異常が認められなければ、問題はありません。
しかし、異常が見つかった場合に膣拡大鏡診という精密検査が行われます。この検査は、拡大鏡のような検査機器を使用して、子宮頸部を拡大し詳細に観察します。

病理検査

腟拡大鏡診で異常が見つかった場合、病理検査が行われます。病理検査は、子宮頸部の組織を採取して顕微鏡で観察する検査です。この病理検査で、診断結果が出ます。
なお、病理検査で組織を採取すると、出血する場合があります。多少の痛みや違和感を覚える方がいるかもしれません。

子宮頸がんの治療法

子宮頸がんの治療は、がんの進行期に加えて年齢・健康状態・妊娠希望の有無によって異なります。がんの進行具合と患者さんのライフステージが考慮された治療方針になるのが、一般的です。
子宮頸がん治療法としては、次の3つが挙げられます。

外科手術(手術療法)

放射線治療(放射線療法)

抗がん剤治療(化学療法)

なお、抗がん剤治療を最初から取り入れることは、IVb期以降のがん以外でほとんどありません。外科手術と放射線治療を組み合わせて行われることが一般的です。
ここでは、外科手術と放射線治療について、詳しく説明します。

外科手術

外科手術は初期からII期までのがんに対して可能な治療です。
一般的に初期のがんでは、子宮頸部に異常が見られる組織を取り除く「子宮頸部円錐切除手術」が行われます。初期がんでは、この手術を中心に子宮を温存する方針で進められることがほとんどです。
IB〜II期のがんでは、広汎子宮全摘手術や準広汎子宮全摘手術が行われます。この手術は、根治を目指すための手術でもあります。広汎子宮全摘手術では、子宮だけでなく卵巣や卵管も含めて取り除く手術になることが一般的です。
しかし、患者さんの年齢や希望で卵巣を残しておくことも、病状によっては可能とされています。

放射線治療

放射線治療は、体の外側から当てる外照射と、がんに線源を入れて行う膣内照射の2つの組み合わせで行われる治療です。放射線治療は初期がんで取り入れられることは、ほとんどありません。IIB期以降から、症状にあわせて取り入れられることが多いようです。
たとえば、広汎子宮全摘手術を受けた後の病理組織検査によっては、再発を防ぐために放射線治療が取り入れられることもあります。なお、III〜IVA期では外科手術は行われず、放射線治療が最初から取り入れられます。

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