「脳梗塞の後遺症」となる症状はご存知ですか?後遺症がない確率も医師が解説!

「脳梗塞の後遺症」となる症状はご存知ですか?後遺症がない確率も医師が解説!

脳梗塞の後遺症を軽減するリハビリ

リハビリが必要な期間はそれぞれの症状によりますが、後遺症を軽減するにはリハビリをとにかく続けることが重要です。脳梗塞の症状が軽い場合には、リハビリによってほとんど気にならないレベルまで改善する可能性もあります。
リハビリ方法は、それぞれの患者さんの状態に応じて異なります。リハビリテーション科の専門医師がいれば、その医師が中心となってリハビリ計画を立てます。施設によっては脳梗塞患者の担当医が中心となって治療にあたります。医師だけではなく、リハビリスタッフ、看護師、栄養士、ソーシャルワーカーなどのチームで対応します。

理学療法(PT)

理学療法は、主に運動麻痺などの運動機能の回復を目指すリハビリのことです。平地や段差がある道での歩行、階段の上り下りやトイレ、入浴などの歩行訓練やバランス訓練を行います。脳梗塞を発症したことによって運動量が少なくなり筋力が痩せてしまうことが大きな問題なので、筋力を維持・強化し、日常生活動作(ADL)の自立を支援します。

作業療法(OT)

作業療法は、手の細かい動きなどをメインにした日常生活動作の向上を目指すリハビリのことです。歯磨きや食事、着替え、入浴など、生活に必要な動作を練習して、必要に応じて補助用具をうまく使えるように訓練していきます。

言語聴覚療法(ST)

言語聴覚療法は、主に食事とコミュニケーションの機能回復を目指すリハビリのことです。
脳梗塞の後遺症で喉の動きが悪い場合にはむせこんでしまうので、喉の動きに応じて、食事内容の形態を変えたりするなど、食事時の姿勢を変えたりするなどの工夫をして訓練します。
失語などの言語障害を持つ場合には、発話練習や聞き取り練習などを通して、粘り強くコミュニケーションが測れるように訓練していきます。

「脳梗塞の後遺症」についてよくある質問

ここまで脳梗塞の後遺症を紹介しました。ここでは「脳梗塞の後遺症」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳梗塞発症後に眠くなったり、疲れやすく感じるのは後遺症でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

その可能性はあります。後遺症の一つに睡眠障害が出現することがあります。睡眠障害があると日中の眠気や疲れやすさを感じることがあります。また、脳梗塞後にてんかんを発症すると抗てんかん薬を服用することになる場合がありますが、抗てんかん薬の副作用で眠気が生じてしまうことも考えられます。

脳梗塞発症後に性格が変わることはあるのでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

あります。
例えば、前頭葉には人格や理性、感情などの機能を担当する領域がありますが、脳梗塞によってダメージを受けてしまうと、我慢することができない、怒りやすいなどの症状が後遺症として残ってしまう場合があります。

脳梗塞の後遺症がなしの確率はどれくらいでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

後遺症がない状態というのは、脳梗塞を発症しても特に目立った症状がない場合や、麻痺症状が出現した後で日常的に気にならない程度まで症状が回復する場合のことを指しているのかもしれません。これであれば20%以下程度かと思います。
ただし、後遺症がない状態というのは、細かく症状を観察するとおそらくもっと少ないと思います。なぜなら脳梗塞によって脳組織は多かれ少なかれダメージを受けているからです。

脳梗塞発症後にイライラしたり、怒りっぽくなるのは後遺症の影響でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

はい。前の質問と同じような内容ですが、前頭葉の一部の領域では人格や理性、感情などの機能を担当しています。脳梗塞によってダメージを受けてしまうことでイライラや起こりっぽさが出現してしまう場合があり、これは高次脳機能障害の症状の一つです。

脳梗塞の後遺症がない場合、仕事復帰はどれくらいでできますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

その仕事の内容次第で復帰できるかどうか判断できると思います。
脳梗塞を発症しても特に目立った症状がない場合や、麻痺症状が出現した後で日常的に気にならない程度まで症状が回復する場合には復帰できる可能性が高いでしょう。
ただし、麻痺症状や感覚障害、目の動きが悪いなどの場合には、現場で行う仕事や車を含めた機械を扱う仕事は控える必要があります。

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