【医師に聞く】「“膠原病”は遺伝しますか?」 症状や原因など疑問を解説

【医師に聞く】「“膠原病”は遺伝しますか?」 症状や原因など疑問を解説

膠原病の種類は? 専門医が解説!

編集部

代表的な膠原病には、どんなものがあるでしょうか?

上原先生

先程の関節リウマチのほか、皮膚や関節の炎症などが現れる「全身性エリテマトーデス(SLE)」や、皮膚が硬くなる「強皮症」、筋肉が炎症を起こし、筋力が低下する「皮膚筋炎・多発性筋炎」が、比較的多くみられる膠原病です。また、この3つの特徴のうち2つ以上が現れる「混合性結合組織病」という疾患もあります。

編集部

たくさんの種類があるのですね。

上原先生

はい。ほかにも涙や唾液の分泌腺に炎症が起こり、ドライアイやドライマウスといった症状が出る「シェーグレン症候群」や、血管に炎症が起こり、臓器の機能障害を引き起こす「血管炎症候群」、口内炎や皮疹などが現れる「ベーチェット病」なども膠原病です。また、50歳以上の方で、体に近い部分の筋肉(肩甲骨~二の腕、太ももなど)に長引く筋肉痛や関節痛を起こす「リウマチ性多発筋痛症」という膠原病もあります。膠原病の可能性がある場合は、身体所見や血液検査、尿検査で免疫や炎症に関連する項目を確認し、内臓などの臓器障害を起こしていないかなどをレントゲンや超音波などの画像検査をあわせて行い、これらの結果を総合的に判断し、それぞれの病気に関する国際的な診断基準や分類基準にあてはめて診断を行っていきます。

編集部

最後に、MedicalDOC読者へのメッセージをお願いします。

上原先生

基本的に、膠原病で起こる発熱、関節痛、頭痛、湿疹などの症状は、膠原病に限らずさまざまな病気で起こりうるもので、症状だけでは膠原病かどうかを判断するのは難しいと思います。早期に診断され・早期治療を開始するためには、気になる症状が会った際、すぐに専門医療機関を受診することが重要です。とくに家族に膠原病の方がいる人は、様子見をしないで、まずは検査してもらってください。

編集部まとめ

膠原病の症状や原因などについて、医師に解説していただきました。膠原病には本当に色々な種類があり、症状もさまざまなのですね。しかしながら、症状だけでは膠原病かどうかを判断するのは難しいとのこと、気になる症状のある方は、まずは専門の医療機関に相談してみることをお勧めします。

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