「騒ぐな。自分でズボンを脱げ」女装して性的暴行、男に懲役10年 被害者は「殺されるかと…」

「騒ぐな。自分でズボンを脱げ」女装して性的暴行、男に懲役10年 被害者は「殺されるかと…」

●被害者の目に飛び込んできたものは…

Aさんが力いっぱい振りほどこうとしても、逃げられないほどの力で被告人はAさんを押さえつけていたようだ。その後Aさんはパンツを奪われ、着衣の上から「後ろのホックをまず外されて、肩ひもも外れるタイプだったので、後ろの肩ひもを外されて、前からするっと抜かれる」(同)形でブラジャーも外された。

さらに胸などを触られるなどしたうえ、口腔性交を要求されたというが、そのときAさんの目に飛び込んできたものは、スカートの下に女性用下着を履いた被告人の股間だった。

「シースルーの花柄のスカートを腰のあたりまでまくりあげていて、赤い女性のレースのパンツを履いて、性器がはみ出ている被告人の足が見えました」(同)

口腔性交ののちAさんは、被告人の性器を下半身にこすりつけられたという。被告人はその際『ゴム持ってる?』『こういうことするの初めて?』などと尋ねてきたともAさんは証言していた。

●「罪悪感から興奮しなかった」

被害にあった後、Aさんはすぐに近くの交番に助けを求めた。病院で診察を受け、アフターピルを処方された。Aさんは「犯人は手慣れているように感じたか?」という裁判員の質問に対し「慣れているかは分からなかったですけど、手際はよかったです」と振り返った。

下半身へ性器をこすりつける行為で被告人の犯行が終わったことについても、「私が泣きわめいていたので、興奮しなかったのかなと思います」と、恐怖で泣いていたことから被告人が犯行意欲を途中で喪失したのではないかという見解を示した。

Aさんへの尋問直後に行われた被告人質問で、被告人は弁護人からの問いに対し「罪悪感から興奮しなかった」と淡々と述べ、下半身へ性器を押し当てる行為そのものを否定した。

「片手でAさんを触り、片手で自分の性器を触っていた」とも証言。あくまでも「性器を押し当ててはいない」という主張を続けた。「逮捕までおびえながら暮らしていた」と語る被告人の声は小さく、裁判長に「大きな声でしゃべってください!」と注意されていた。

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