肺がんの一般的な症状
肺がんのステージ0・Iの場合にはがんの組織が肺内のみに限定されており、ほとんどの場合症状が現れません。ステージIIの場合にもほとんど症状がないことが多いです。ステージIIIになると、
胸の痛み
息苦しさ
発熱
咳や痰
食べ物の飲み込みにくさ(嚥下(えんげ)障害)
声が出にくい(嗄声(させい))
顔や首・腕の腫れ(がん細胞が大きな静脈の血流を邪魔している場合にのみ)
などの症状が現れます。またステージIVでは、肺以外の臓器にも転移している可能性があるため、転移した臓器に関連した症状がみられます。
骨に転移:痛み・骨折
脳に転移:頭痛・めまい
肝臓に転移:黄疸・腹水
吐き気・嘔吐
食欲不振・体重減少
混乱(意識の混濁など)・精神機能の障害
もしも、上記のような症状が見られる場合には、早急に医療機関へ受診してください。
肺がんの進行速度はどれくらい?
肺がんの進行度合いは先ほどのステージ分類で表されますが、進行速度にはいくつかの要因があります。
原発巣、つまりおおもととなる肺がんの組織の大きさや広がりの程度
心臓が収納された両肺の真ん中部分にある胸腔内や鎖骨の上あたりのリンパ節への転移があるかどうか
がんができた場所、つまり原発巣から離れた臓器(脳・骨・肝臓・副腎など)やリンパ節への転移の有無
ステージ別の生存率を1年・2年・3年・4年・5年と追っていくと早期に発見された方が、つまりステージが低い段階で発見された方が生存率も高く、経年を追っても生存率が高いことがわかります。
ステージI:1年生存率95%/2年生存率約84%/3年生存率約82%/4年生存率約77%/5年生存率約73%
ステージII:1年生存率約84%/2年生存率約68%/3年生存率約58%/4年生存率約51%/5年生存率約46%
ステージIII:1年生存率約69%/2年生存率約47%/3年生存率約36%/4年生存率約29%/5年生存率約25%
ステージIV:1年生存率約39%/2年生存率約20%/3年生存率約12%/4年生存率約9%/5年生存率約6%
このようにいかに早期発見が大切なのかがよくわかります。早期発見に関しては後述の質問を参考にしてください。
配信: Medical DOC