「尿検査でわかること」はご存知ですか?尿検査でわかる病気・疾患も医師が解説!

「尿検査でわかること」はご存知ですか?尿検査でわかる病気・疾患も医師が解説!

尿検査でわかる病気・疾患は?

ここではMedical DOC監修医がわかる病気・疾患について解説します。

腎臓病

腎臓病とは、

尿の異常、画像診断、血液検査、病理検査で腎臓の障害が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)がある
GFR(糸球体濾過量)が60mL/分/1.73m2未満である

の1、2いずれかもしくは両方が3か月以上続いているものを慢性腎臓病といいます。
慢性腎臓病の原因は、糖尿病、高血圧、痛風などの生活習慣病や腎炎、薬剤性などがあります。なかでも最近は糖尿病をはじめとする生活習慣病が原因となることが多いです。腎臓病は自覚症状がほとんどなく、普段から健康診断で異常がないかをチェックをすることが非常に重要です。健康診断で蛋白尿や血尿などの尿検査の異常や血液検査でクレアチニン(Cr)、eGFRの異常がある場合には早めに内科(腎臓内科)を受診しましょう。腎臓病は進行すると、改善することが難しく、早めに治療をすることが重要です。

尿路結石

腎臓から尿管、膀胱、尿道までの尿路にできる石が尿路結石です。この石は腎臓で作られ、尿の流れに乗って移動します。この時に、石が引っかかってしまい生じる激しい痛みが結石の発作です。また、尿路をふさいでしまうことで尿の流れが滞り感染を起こしたり、腎臓の機能を悪くすることがあります。尿路結石の原因は、痛風や副甲状腺の病気や尿路の奇形、薬剤などが挙げられます。尿路結石がある場合、尿検査では血尿がみられることが多いです。痛みを伴う場合には、病院を受診しましょう。背部痛を伴うことが多く、激痛を引き起こします。尿路結石が考えられる場合には泌尿器科受診をお勧めします。

糖尿病

糖尿病とは、「インスリンの作用が十分でないために高い血糖値が持続する状態」です。糖尿病には、インスリンを作る膵臓の細胞が壊されインスリンの分泌が低下し発症する1型糖尿病と、インスリンの分泌低下と効き目が悪くなる状態に過食や肥満などが加わり発症する2型糖尿病があります。どちらの病気も高血糖となると、尿検査で糖が陽性となりやすくなります。また、糖尿病が進行すると腎障害を来たし、尿蛋白が陽性となることもあります。糖尿病は初期では自覚症状が少ないです。高血糖が持続すると喉の渇きや、尿が多くなることで気がつくこともあります。糖尿病が疑われた場合には、内科(糖尿病内科)を受診しましょう。糖尿病と診断された場合には、1型の場合にはインスリンを中心とした治療、2型の場合には食事・運動療法や必要であれば薬物治療を行います。

膀胱炎

膀胱炎は尿道から細菌が膀胱へ入ることによっておこる感染症です。頻尿、排尿時痛、残尿感などを来たし尿検査では白血球や細菌を認め、進行すると血尿を来たします。女性に多い病気です。多くは抗生剤治療により数日で完治しますが、高熱や背部痛を伴う場合には腎盂腎炎を来たしていることがあり、重症化する危険性があります。早急に泌尿器科もしくは内科の受診をしましょう。

尿検査で再検査・精密検査と言われた時は?

尿検査の再検査・精密検査とは?

健康診断の尿検査で異常が認められた場合には、再度尿をとり異常が持続しているかを確認します。蛋白尿や血尿が持続している場合には、腎炎など腎臓病が考えられます。この場合には、血液検査でクレアチニンや尿素窒素などの腎機能を表す数値の異常がないか、尿蛋白の量、尿の沈殿物を顕微鏡で詳しく検査する沈査で、腎炎で認められる円柱などの所見がないかを調べます。また、動くと血尿や蛋白尿が出やすい人では早朝尿で蛋白尿がないかを調べることもあります。
尿の混濁や白血球などを認める場合には、膀胱炎などの感染を考え尿培養の検査で原因となる細菌を調べます。男性で排尿時の痛みを伴う場合には前立腺炎や尿道炎が考えられます。淋菌やクラミジアなどの性病が原因であることもあり、疑われる場合にはPCR検査を行います。
その他の精密検査としては、エコーやCTなどの画像検査を用いて腎臓や尿路での異常がないか形態上問題ないかチェックを行うこともあります。

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