「尿検査でわかること」についてよくある質問
ここまで尿検査でわかることについて紹介しました。ここでは「尿検査でわかること」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
健康診断の尿検査で調べる項目と基準値を教えてください。
伊藤 陽子(医師)
尿蛋白、潜血、糖、ウロビリノーゲンの項目を調べます。以下が基準値です。
基準値
異常値
考えられる疾患
蛋白
(-)
(+)~
高血圧・糖尿病・腎炎・腎臓病など
潜血
(-)
(+)~
高血圧・腎炎・腎臓病・膀胱炎・尿路結石など
糖
(-)
(+)~
糖尿病・腎臓病
ウロビリノーゲン
(±)
(+)~
肝炎、胆管結石など
学校や企業健診の尿検査では、何がわかりますか?
伊藤 陽子(医師)
子供が学校で受ける尿検査は糖尿病や腎疾患の早期発見が中心であり、尿蛋白、潜血、糖を見ています。企業健診の尿検査は尿蛋白、潜血の他に糖、ウロビリノーゲンなどを検査しています。腎臓病、生活習慣病に伴う異常や肝疾患を発見できます。
健康診断で生理中に尿検査を受けると結果に影響が出ますか?
伊藤 陽子(医師)
生理中に尿検査を受けると、尿に経血が混ざってしまうため潜血が陽性となってしまいます。このため正確な評価ができません。可能であれば、生理中を避けて尿検査を受けましょう。
尿沈査検査ではどんな健康リスクがわかりますか?
伊藤 陽子(医師)
尿沈渣検査では、「赤血球」「白血球」「上皮細胞」「円柱」などの成分が増えていないかを調べます。「円柱」が多いと腎臓病が疑われ、「白血球」や細菌が増加すると感染症が考えられ、円柱が少なく、赤血球や上皮細胞が主である場合には尿路での炎症、出血などが疑われます。それぞれの考えられる原因からさらに精密検査を進めます。
尿検査では、尿タンパクがあるかどうかが診断できますか?
伊藤 陽子(医師)
尿検査で尿蛋白の濃度や尿蛋白量を調べることができます。
まとめ 定期的な尿検査で健康状態をチェック
尿検査は体の負担がほとんどなく簡単に検査をすることができます。その上、さまざまな体の異常を発見することができる非常に有用な検査です。尿検査に引っかかった場合には、たかが尿検査と放置せず、必ず再検査をしましょう。糖尿病や腎臓病、肝疾患など自分では気が付かない体の異常を知らせてくれているかもしれません。尿検査の項目にもよりますが、内科を受診して再検査を行うと良いでしょう。しかし、背部痛を伴ったり、男性で尿道の痛みがある場合には泌尿器科受診がお勧めです。
配信: Medical DOC