「急性リンパ性白血病の症状」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

「急性リンパ性白血病の症状」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

急性リンパ性白血病の検査・診断

急性リンパ性白血病が疑われる場合は、どのような検査が行われるのでしょうか。急性リンパ性白血病では血液細胞が減少するため、診断時には血液検査が行われます。しかし、血液検査のみでは診断できないため、骨髄検査も行います。
ここからは、急性リンパ性白血病の検査・診断について詳しく解説しましょう。

血液検査

血液検査は、血液を採取して血液中に含まれる成分の数値を調べる検査です。一般的に急性リンパ性白血病を発症している場合は、赤血球・血小板が減少していることが多いようです。
また、白血球は異常に多いこともあれば、異常に少ないこともあります。

骨髄検査

血液検査で急性リンパ性白血病が強く疑われる場合は、骨髄検査も行います。骨髄検査とは、腰の骨に針を刺して骨髄組織をとる検査です。
骨髄検査には注射器で骨髄液を吸引する「骨髄穿刺」・太い針を刺して骨髄組織の一部をとる「骨髄生検」があります。採取した骨髄組織を顕微鏡で観察して、白血病細胞の有無などを調べます。

急性リンパ性白血病の治療

基本的に急性リンパ性白血病の治療は、薬物療法・造血幹細胞移植を行います。まず、血液検査・骨髄検査で急性リンパ性白血病と診断されたら、染色体検査・表面抗原マーカー検査・遺伝子検査を行い治療法を決めます。
ここからは、急性リンパ性白血病の治療について詳しく見ていきましょう。

薬物療法

薬物療法ではアドリアマイシン・シクロフォスファミド・ステロイド剤といった抗がん剤を複数組み合わせて治療を行います。ただし、フィラデルフィア染色体がある場合は、分子標的薬も使用します。
分子標的薬とは、がん細胞の増殖に関わるたんぱく質・がんを攻撃する免疫に関わるたんぱく質などに直接作用する薬です。急性リンパ性白血病では分子標的薬のうち、イマチニブ・ダサチニブ・ポナチニブというチロシンキナーゼ阻害薬を使用します。
薬物療法では白血病細胞を減らして寛解という白血病細胞のない状態になったら、根治を目指して薬物療法を続けます。ただし、薬物療法を行っている間は感染症のリスクがあるため、手洗い・うがいなどの感染症予防を行うことが重要です。

造血幹細胞移植

薬物療法を行っても、白血病細胞が減らないもしくは寛解となった後に再度白血病細胞が現れた場合に造血幹細胞移植を行います。造血幹細胞移植とは、あらかじめ造血幹細胞を採取し、薬物療法を行った後に採取した造血幹細胞を移植する方法です。
造血幹細胞移植には、患者さん本人の造血幹細胞を採取する自家造血幹細胞移植・臓器を提供するドナーの造血幹細胞を採取する同種造血幹細胞移植があります。急性リンパ性白血病では同種造血幹細胞移植を行うケースが多いとされます。

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