最高裁を侵食する巨大弁護士事務所 東電原発訴訟で明らかになった「不都合な真実」とは

最高裁を侵食する巨大弁護士事務所 東電原発訴訟で明らかになった「不都合な真実」とは

●「国に責任あり」判決は多数派からゼロに

6・17最高裁判決前、福島第一原発事故に対して「国に責任がある」とした高裁判決は3つ、「ない」とした判決は1つと、「責任あり」が多数だった。しかし、6・17後は「国に責任はない」とする高裁判決が6つ続いている。「責任あり」とした判決はゼロだ。

これらの訴訟はすべて原告側から上告され、最高裁が上告を不受理とするのか、それとも上告審が行われるのか注目される。被災者やその支援をする弁護団は、東京電力とかかわりのある巨大ローファームと「深い関係」を有する最高裁判事のもとでは、公正な裁判は期待できないと訴える。

第2小法廷の草野判事に対して、東電元幹部の刑事責任を問う訴訟の審理を回避するよう求める署名活動を展開。たびたび最高裁前で、のぼりなどを掲げて声を上げる抗議行動を行なっている。

【プロフィール】

後藤秀典(ごとう・ひでのり)ジャーナリスト。1964年生まれ。日本電波ニュース社、ジン・ネット勤務を経て、2020年からフリーランス。テレビの報道ドキュメンタリー番組でディレクター、プロデューサーを務める。福島第一原発事故、社会保障問題などを取材。 主な作品 TBS報道特集『生活保護を受けられずに餓死する悲劇』『暴力とピンハネ 原発作業現場で起きていたこと』、NHクローズアップ現代『広がる“労働崩壊”』(2016年ギャラクシー月間賞)、NHK明日へ『分断の果てに ”原発事故避難者”は問いかける』(2020年貧困ジャーナリズム賞)等々。著書『東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』(2023年旬報社・貧困ジャーナリズム大賞受賞)

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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