Googleマップは「21世紀に現れた無法地帯」 医師らが訴える「悪質コメント放置」の実態

Googleマップは「21世紀に現れた無法地帯」 医師らが訴える「悪質コメント放置」の実態

●「ゴミ」「門前払いされた」荒れる書き込み 脅されるケースも

こうした状況について、この医師が2023年春、ツイッターで問題提起したところ、全国各地でクリニックを経営する医師などから賛同する声が寄せられた。

「ゴミ」「老害」「門前払いされた」「ゴキブリがいた」「手術が失敗した」

グーグルマップでは、その店で働くスタッフへの侮辱や真偽を確認できない書き込みが放置されている以外にも、「金を払わないと悪いクチコミを書く」と脅されるケースや、同業者が他社に低評価をつけるケースが発生しているという。

また、医師には守秘義務があり患者の特定につながりうる情報を公にできないため、虚偽の書き込みでも反論することが難しい事情もある。

「21世紀に現れた無法地帯です」

この医師はグーグルマップの現状をそう表現する。

●2次被害も懸念 クチコミ削除の業者から勧誘

2次的な被害を懸念する声もある。

原告となる医師が働く病院には以前、グーグルマップのクチコミ対策に取り組むという会社から資料が送られてきたことがある。

そこには病院のクチコミを印刷した紙が同封されており、「批判的なクチコミは採用活動などに悪影響を及ぼす」「クチコミの非表示化対策をおすすめする」などと有料サービスを紹介してきたという。

「クチコミを消せるのはグーグルか書き込んだ本人だけなので、第三者が消せるわけがなく、詐欺であることが明らかです」とその医師は指摘する。

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