「肺がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状や余命も解説!【医師監修】

「肺がんの末期症状」はご存知ですか?初期症状や余命も解説!【医師監修】

肺がんは早期で発見される場合もあれば、症状が出現し始めたときにはすでに肺がん末期の状態で発見されることもあります。

末期になると手術のような外科的な治療ができません。そのため、化学療法や放射線療法で治療を行います。

この記事では、肺がん末期の症状・治療法について解説します。肺がんについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

肺がんとは?

肺がんとは、肺に発症したがんの総称です。日本でも罹患する方は年々増加しています。肺がんの種類は大きく2種類に分けられます。

非小細胞肺がん:腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん

小細胞肺がん:小細胞がん

なかでも、腺がんは肺がんと診断された方の半数以上を占めています。肺がんの原因について完全に判明していませんが、喫煙や受動喫煙による発がんリスクは一般的にも知られているでしょう。
ほかにも、大気汚染・仕事で放射線に被ばくする方・近親者に肺がんを発症している方も肺がんを発症するリスクが高いため、定期的な検診は大切です。リスクを下げるには禁煙はもちろん、生活習慣を整えることが効果的といわれています。

肺がんの初期症状

肺は呼吸を行う働きがあります。がんにより肺の機能が低下すると、咳や息苦しさのような呼吸に伴う症状が多く出現します。具体的にみていきましょう。

咳・痰

健康な方でも、日常生活において咳や痰が出現することがあります。気道のなかに異物が入ってきたと身体が認識すると、身体の外に排出しようと咳や痰がでます。
咳や痰は、身体を守る防御反応でありますが、明らかに症状の出現頻度が増える場合は注意が必要です。
がんの発症により肺の防御機能が低下すると、1回では十分に異物を排出できず、必然的に咳や痰の回数が増えます。
2週間以上長引く咳や痰が出ていたり、痰に血液がまじっていたりする場合は医療機関に相談しましょう。
ただし、肺がんになったからといって咳や痰がでるとは限りません。

息苦しさ

十分に酸素が吸えない、または二酸化炭素が排出できなくなると息苦しさが出現します。
肺がんができると、気道が狭くなるため息苦しさを感じやすいでしょう。
また、長年にわたり喫煙をしていた方は、肺胞と呼ばれる場所に有害物質が蓄積し、呼吸に影響を及ぼします。
ほかにも、肺がんの末期になると胸に水が溜まるため、十分に肺が膨らまず呼吸のしにくさにつながります。

発熱

がんの進行に伴い気管支を塞いでしまうことで、閉塞性肺炎と呼ばれる肺炎を引き起こす可能性があります。
病院に受診すると、肺炎は発症しているものの、原因は肺がんであったと判明する方も少なくありません。
発熱が5日間以上続いたり、咳や痰などの呼吸に関する症状も見られたりする方は、医療機関を受診しましょう。

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