<ある現実>3人に1人が月8万円以上の減収、その背景には10年連続で増加している「社会問題」が

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夫婦間での相談、満足できていない人が多数

ここで、夫婦間の連携はうまくいっているのかどうかも見てみましょう。

子どもの不登校について「夫婦間で満足に相談できているか」を聞いた結果、「満足に相談できている」と回答した人は22.6%。最も多かったのは「話はするが、満足のいく相談はできていない」であり、45.5%に上りました。

また、「意見の食い違いが大きいため満足いく相談ができていない」(10.9%)、「ほとんど・まったく話ができていない」(8.5%)も1割前後見られます。夫婦間でしっかりと連携できているという家庭はそれほど多くないようです。

特定非営利活動法人キーデザイン「『子どもの不登校が家庭にどう影響を与えるか』に関する実態調査」より

学校・教育委員会の対応、「大変不満足」が最多

では、学校などの対応についての意見はどうでしょうか。

子どもの不登校・行き渋りに対する学校や教育委員会の対応を、「大変満足:5」から「大変不満足:1」まで5段階評価で尋ねた結果がこちらです。「大変満足」を挙げた人は14票だったのに対し、「大変不満足」は113票と、大きな差がでました(平均2.34)。このことから学校や教育委員会への対応に対して、不満を持っている保護者が多いことがうかがえます。

特定非営利活動法人キーデザイン「『子どもの不登校が家庭にどう影響を与えるか』に関する実態調査」より

低評価の具体的な理由を聞いてみると、

・担任の怒鳴り声が怖くなり行けなくなったが、当の担任から連絡がほとんどなかった。

・小学校で理解が得られず、転校しました。学校の教頭先生から「学校は来るべき場所、ストレスのかかる場所、我慢すべき場所」「不登校は親が子どもを甘やかした結果」。スクールソーシャルワーカーさんから「精神科を受診してください」と言われました。 不登校が理解されていない学校でした。 こちらから働きかけても全くわかってもらえなかったし、変人扱いみたいなことをされて苦しかったです。

・仕事から疲れて帰って、家事で忙しい時間に自宅に来られるのは嫌だった。クラスの子が手書きで書いたその日の学習予定やメッセージが書かれたプリントを毎日もらうのはプレッシャーだった。オンラインがあると良かった。

・先生方やカウンセラーの方々はとてもお話を良く聞いて下さり、気にかけていただいて、それは良かったのですが、どうしても目標が復学であるように感じ、子ども達にはプレッシャーだったようです。学校に行きたいのか、行きたくないのか、もう少し汲み取って、行きたく無い子に対してどうすれば幸せに過ごせるか、アドバイスいただけたら良かったなと思います。

などの声が聞かれました。学校と保護者・子ども間のコミュニケーションがうまくいかず、保護者や子どもがプレッシャーを感じる結果になってしまった状況がうかがえます。

一方、高評価の理由では「学校へ登校することだけを目標とせずに、当人のスモールステップを応援してもらえた」や「学校以外に相談できる教育支援センターを紹介してくれた」などがありました。悩む保護者の気持ちを汲み、寄り添ってくれたことが高評価につながったようです。

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