「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」はご存知ですか?対処法も医師が解説!

「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」はご存知ですか?対処法も医師が解説!

アルコールを飲み過ぎると現れる症状とは?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

≫「急性アルコール中毒」になる飲酒量・症状・対処法はご存知ですか?医師が監修!

監修医師:
佐藤 浩樹(医師)

北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。

アルコールを飲み過ぎると現れる症状

アルコールを飲むと気分が良くなったり、顔が赤くなったりする症状が出ます。しかし、アルコールを飲む量が増えるにしたがって、さまざまな症状が出てきます。後の章ではアルコールを飲み過ぎて現れる症状について解説します。

吐き気や嘔吐

アルコールは肝臓で分解されると、アセトアルデヒドという物質になります。このアセトアルデヒドはさまざまな症状を引き起こすことが知られており、吐き気や嘔吐はこのアセトアルデヒドの量が体内で増えることで起こります。意識レベルが低下している状態で、嘔吐すると誤えん性肺炎をきたすことがあります。症状が軽い場合は安静にして過ごすと自然と治まります。しかし、吐き気や嘔吐が治まらなければ、市販薬を試したり、内科を受診したりするようにしましょう。

頭痛

アルコールを飲みすぎると、アセトアルデヒドが血管内に増えてしまいます。このアセトアルデヒドは、血管を拡張させ、神経を圧迫して炎症を引き起こします。また、アルコールの利尿作用により、脱水症状が強くなると頭痛が悪化することがあります。頭痛の症状は自然と治まることが多いですが、水分補給を行うことで症状が軽くなる場合があります。

呼吸が苦しい

血中アルコール濃度が高まることによって呼吸・心臓の中枢が抑制されることがあります。特に、呼吸の中枢が抑制されると、通常の呼吸ができなくなり、息苦しさが出たり、呼吸自体ができなくなったりすることがあります。これは非常に危険な状態であり、死に至る恐れがあるため、緊急で救急外来を受診する必要があります。

意識を失う

アルコールを飲めば、「酩酊」と呼ばれる酔った状態になります。通常、血液中アルコール濃度が0.02%から0.1%程度で、ほろ酔いと呼ばれるリラックスした状態になります。しかし、血液中アルコール濃度が0.3%を超えると泥酔期と呼ばれるもうろう状態、0.4%を超えると昏睡期という生命に危険を生じうる状態になります。この状態は呼吸ができない状態と同じく、緊急での対応が必要になります。意識がはっきりとしない場合は、緊急で救急外来を受診することが重要です。

すぐに病院へ行くべき「アルコールを飲み過ぎると現れる症状」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

意識がない場合は、救急外来へ

アルコールの飲み過ぎで、意識をなくすことがあります。これは急性アルコール中毒の症状の恐れがあり、嘔吐による誤えん性肺炎や呼吸困難などの症状が出ることがあります。そのような症状がある人を見かけた場合は、速やかに救急外来を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。

関連記事: