「ストレス」が原因で「血圧」が高い人の特徴はご存知ですか?下げる方法も解説!

「ストレス」が原因で「血圧」が高い人の特徴はご存知ですか?下げる方法も解説!

血圧が高い人がかかりやすい病気・疾患

血圧が高い人は、脳卒中や心筋梗塞など、深刻な病気が起こるリスクが急上昇します。
働き詰めの方がある日突然職場で倒れ、帰らぬ人に…という悲劇は、決して珍しいことではありません。
ストレスだから仕方ないと放置せず、早めに受診と治療、高血圧の改善対策を行いましょう。

脳卒中

脳卒中は脳の血管が詰まる、または破れる病気の総称です。
日本人の死亡原因4位で、発症すると死亡、重度の障害を負うことも珍しくありません。
脳卒中にはさまざまな種類がありますが、高血圧の方に多い症状は脳出血とラクナ梗塞です。アテローム血栓性脳梗塞は高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が合併することで発症しやすくなります。
脳出血は、文字通り脳内の血管が破れて出血することです。出血した部位の脳は死滅するため、命が助かっても重い後遺症を残すことは珍しくありません。
ラクナ梗塞とは、脳の細い血管が詰まり、周囲の小さな範囲が壊死する脳梗塞の一種です。脳梗塞の中では比較的軽症ですが、半身のしびれ、運動麻痺、喋りにくいなどの症状が出ることがあります。
アテローム血栓性脳梗塞は、脳の大きな血管や首の血管が動脈硬化により細くなり、詰まってしまうことにより生じる脳梗塞です。詰まった場所により力が入らない、半身が動かない、ろれつが回らないなどの症状がみられ、段階的に症状が進行することもあります。
これらの病気は高血圧を下げる対策、治療で血圧をコントロールすることで発症を予防することができます。

心不全

心臓のはたらきが悪くなる心不全も、高血圧が原因の一つです。
心不全になると血流が流れにくくなり、動悸、息切れ、むくみ、おしっこが出ないなど、さまざまな症状を引き起こします。
ヒトの心臓は、全身から戻ってきた血液を肺に送り出し、肺から戻った血液を全身に送りだしています。心臓の右心室が心不全を起こすと肺への血流が滞り、息苦しさを感じます。左心室に心不全が発症すると、全身に送りだす力が弱まり、血圧が低くなったり、疲れやすい、動悸などの症状が起こります。また、血液がうっ滞することで全身にむくみが生じます。思い当たる症状があれば、ただちに循環器内科を受診しましょう。

慢性腎臓病

腎臓には毛細血管がたくさん張り巡らされ、血液が流れています。腎臓は血液から余分な水分や老廃物を取り除いて体内に戻す働きがあるからです。高血圧を放置すると腎臓の血管にも負荷がかかり、慢性腎臓病を引き起こします。慢性腎臓病は日本で約1330万人もの患者がいると言われ、高血圧が原因で悪化します。放置すると腎不全で透析が必要になり、心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患のリスクを引き上げます。
症状が悪化するまで自覚症状があまり出ないのが特徴です。健康診断で蛋白尿や血尿が出たら、すぐに腎臓内科で精密検査を受けて下さい。腎臓は一度悪化すると改善しませんが、悪化を遅らせることはできます。

冠動脈疾患(虚血性心疾患・心筋梗塞など)

冠動脈は、心臓に酸素と栄養を運ぶ血管です。大動脈から枝分かれした太い血管で、心臓に網のように取り巻いています。
高血圧を放置すると、この冠動脈にも動脈硬化が進行し、冠動脈疾患の発症の危険性が高まります。120/75mmHg以上で冠動脈疾患による死亡のリスクが上昇するとの報告があります。このため日本では75歳未満では130/80mmHg未満を降圧目標としています。
メタボリックシンドローム、糖尿病などの症状や喫煙の習慣が合併すれば、さらに動脈硬化は進行します。
冠動脈が狭くなり、心臓に十分な酸素と栄養が運べなくなる「狭心症」、完全に冠動脈が詰まり、心臓の一部が壊死する「心筋梗塞」などが動脈硬化の進行で起こります。
自覚症状はさまざまで、運動や強いストレスを感じると激しい胸の痛みに襲われる、左腕や背中の痛みや圧迫感、歯痛の症状が出ることもあります。これらの症状が起きたら、放置せず循環器内科を受診して治療を受けましょう。

ストレスが原因で上がった高血圧を下げることはできるの?

ストレス性高血圧は、生活習慣である程度抑えることができます。適正体重までの減量、禁煙、減塩、十分な睡眠、適度な運動などが高血圧を下げますが、まずは手軽でどこでもできる「呼吸法」を紹介します。

ストレスが原因で上がった高血圧を下げる方法

いちばん簡単なストレス緩和法は「しっかり息を吐く」ことです。
緊張すると息が吐き切れず、ますます身体が緊張してしまいます。息を吐くのは、その悪循環を断つ効果があります。
息を吐くと副交感神経が優位になり、交感神経が引っ込みます。自律神経を直接触ることはできませんが、呼吸を介してある程度調整することができます。
意識しないと気づきにくいですが、ストレスで頭がいっぱいになると息がしにくくなります。まずは意識をストレスの元でなく、自分の呼吸に合わせましょう。
それから下腹部に優しく手を当て、ゆっくりと、限界まで息を吐き切ります。「ゆっくり吐く」のが大事で、力を込めて吐くとかえってストレスが上がります。
ゆっくり吐き切ったらお腹の緊張をゆるめると、自然と息を吸い込みます。これを繰り返すと体の緊張がほぐれ、やがて血圧も下がるでしょう。
ヨガなど、呼吸法を重視した運動をすることもストレス緩和に役立つでしょう。

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