「心不全で亡くなる時」に現れる症状はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!

「心不全で亡くなる時」に現れる症状はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!

心不全を発症する原因

主な原因として、冠動脈疾患、弁膜症、不整脈などがあります。これらの疾患によって心臓のポンプ機能が低下します。他には、高血圧や糖尿病をはじめとする生活習慣病、ウイルスが心臓に感染する心筋炎、ホルモン異常である甲状腺疾患、遺伝的要因が原因となることもあります。

冠動脈疾患

冠動脈疾患は、代表的な心不全の原因です。冠動脈が狭窄または閉塞することにより心臓の筋肉への血液の供給が減少してしまう疾患です。そのため、心臓の筋肉に供給される酸素や栄養素が不足することにより心臓のポンプ機能が低下して心不全を引き起こします。このような状態が急激に起こると胸部圧迫感、胸痛、息切れなどの症状が出現し苦しむことになります。心筋梗塞や不安定狭心症などを考えなければなりません。いずれの疾患も致命的であり、早期処置が必要で緊急性が高いため循環器科を受診しましょう。

弁膜症

心臓を仕切っている弁が固くなったり、閉じが悪くなったり、開きが悪くなったりする疾患です。このため、心臓内の血液の流れが妨げられるため心臓が正常に機能しなくなり心不全を引き起こします。初期症状は障害が起きた弁によって異なりますが、一般的には、息切れ、全身倦怠感、むくみ、脈の乱れなどの症状が出現します。こういった症状が認められた時は循環器内科を受診することが大切です。

不整脈

不整脈は心臓のリズムが正常でない状態です。そのため、心臓は不規則な拍動となり全身への血液の供給が十分でなくなります。この影響で心臓の筋肉が徐々に障害され、心不全が発症します。不整脈は経過観察でよいものから死に至る可能性があるものまで、さまざまなものがあります。無症状の方も多いですが、初期症状として動悸、脈が飛ぶ感じ、脈が不規則などを感じる方もいます。不整脈を指摘されたら循環器内科を受診して今後の指示をもらいましょう。

心不全を発症しやすい人の特徴

冠動脈疾患、心筋症、弁膜症などの心臓疾患が既往にある方は要注意です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病、喫煙、肥満、運動不足などの不健康な日常生活もリスク要因となります。その他、加齢や遺伝的要因も関わることがあります。

不摂生な生活

健康的な生活習慣を維持している人は心不全になりにくいです。バランスの取れた食事、定期的な運動、適切な体重維持、禁煙、適度なアルコール摂取が基本です。また、生活習慣病因子である、血圧や血糖、脂質のコントロールに留意することも重要です。定期的な健康診断を利用することも効果的です。

男性

性差で心不全発症に違いがあります。男性が女性よりも心不全発症年齢が若いです。また、男性は女性よりも冠動脈疾患による心不全が多いとされています。一方、女性は男性よりも高血圧による心不全が多いことが知られています。理由として、男女間でのホルモン、体格、喫煙率、高血圧や脂質異常症などの罹患率などの違いとされています。また、女性は男性よりも心筋梗塞後の心筋回復が早いなども関わっているとされています。日常生活を送るうえでの参考としてください。

肥満

肥満は心不全発症のリスクです。体格指数(kg で表示した体重を m で表示した身長の 2 乗で除した値)は18.5~24.9が正常範囲です。この値が1 増すごとに、男性では 5%、女性では 7%、心不全のリスクが増加します。理由として、肥満になると高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを高めること、睡眠時無呼吸症候群を起こしやすいことなどがかかわっているとされています。適正体重維持に心がけましょう。

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