「膵臓がんの手術方法」はご存知ですか?術後の注意点や入院期間も解説!

「膵臓がんの手術方法」はご存知ですか?術後の注意点や入院期間も解説!

膵臓がんの手術後の対策

膵臓がんは、術後合併症が多く、手術自体も難易度の高い手術となっています。再発を避けるため、以下に術後の対策を解説します。

膵酵素補充

膵臓の手術後は、一時的に胃腸の働きが低下します。膵臓酵素補充は、食べ物を消化吸収するための膵消化酵素を含んだ薬を服用して、胃腸の働きが治るまでサポートする治療法です。
現在は腸溶コーティングされている酵素薬を使用する場合がほとんどですが、今後は栄養吸収率を上げるため別の酵素薬による治療も検討されています。

糖尿病対策

手術で膵臓を切除した場合は、既往の糖尿病が悪化することがあります。あるいは、もともと糖尿病がなかった方でも急に糖尿病を発症するケースもあります。膵臓がん手術後の対策として、糖尿病の専門の医師に相談してください。
特に、膵臓を全摘出した場合は、血糖を下げるインスリンというホルモンが分泌されなくなります。
退院後は、自分で注射を打ってインスリンを補う必要があります。退院前に、担当の医師や看護師から注射の方法などの指導を受けるとよいでしょう。

膵膵臓がんの手術後の注意点

膵臓がんの術後の注意点として、補助化学療法に抗がん剤を用いることがあります。
抗がん剤は、体内に残存しているかもしれないがん細胞にダメージを与えて、再発のリスクを減らすことを目的にしています。
一方、同時に正常な細胞をも攻撃してしまうかもしれません。副作用の恐れがあるので、きちんと外来に通院することが大切です。
手術後は担当の医師の指示に従い、以下のポイントに注意してください。

手術後の痛みについて

手術後の創部の痛みについては、個人差があるため一概にはいえません。通常は、術後数ヵ月間は運動すると腹部に痛みを感じたり、ひきつれ感があったりすることが報告されています。
ただし、日常作業の範囲内でなら術後1~2ヵ月から軽作業が可能になってきます。少なくとも腹部痛みがある間は、激しい運動を控えた方がよいでしょう。

お腹に入っているドレーンについて

膵臓がんの手術後には、患者さんが楽に過ごせるようドレーンと呼ばれる管をお腹に2~3本入れてサポートします。
入院中は、担当の医師がたえず 出血がないかや膵液漏がないかなど異常がないように術後観察をします。大きくて邪魔だからと自分で勝手に抜かないよう気をつけてください。
経過が良好なら、術後3~5日後にはドレーンを抜きますが、術後合併症が起きた場合は症状が改善するまで入れたままにします。

食事・排泄について

膵体尾部切除の手術では消化管を切除しないので、食事に関して手術前とあまり変化はありません。しかし、膵頭十二指腸切除の手術では消化管を切除・再建しているので、食べる量は減ってしまうでしょう。
食事は消化吸収機能が低下しているので、以下のポイントに注意してください。

3日目から3分粥を開始し、徐々にお腹を馴らしていきましょう。

無理せず食べれる量を1日5~6回に小分けにして栄養を摂ってください。

栄養バランスを考えて、一口ずつよく噛んで食べましょう。

また、手術後は一時的に腸の動きが鈍くなるため、便秘・下痢など排泄に問題を生じることがあります。再び腸の動きが活発になりおならが出るまでには3~4日かかります。
便秘が続く場合は、便秘薬や座薬などで対応できるので、医師に相談しましょう。
下痢が続く時は水分を十分に補給してください。

運動について

日常生活について大きな制限はありません。術後はできるだけ体を動かし、入院前の状態に近づけていくことがリハビリの第一歩です。
十分な睡眠・休養を取り、適度な運動を続けてください。運動を継続することで、呼吸機能を回復し、体力回復を早めてくれるでしょう。退院後の状態が落ち着けば、旅行も可能です。仕事は、無理のない範囲で行ってください。

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