定率制で積立投資をしているのですが、収入が上がると積立額も上がって、なんだか損をしている気分になります。定率制のメリットはなんですか?

定率制の利点

一方で、給与の一定割合を積み立てる「定率制」は、収入の増加に応じて積立額を増やすため、より効果的な資産形成が期待できます。この方法では、収入が上がれば積立額も比例して増えるため、時間とともに資産をより早く増やすことができる可能性があります。

 

もちろん、定額積立にもメリットはあります。積立額が一定であることは支出計画が立てやすく、加えて給与収入の増加分を消費支出等にまわすことができます。

 

この点においては給与定率積立の場合、定額積立ほどに直接的に収入増が実感できないかもしれません。しかし、「実感できないお金」は消えてなくなっているわけではありません。そのお金は別の財布に入っているだけです。

 

他にも、定額積立は「あまり意識しなくとも継続積立できる」という点も大きなメリットです。

 

一方で定率積立は、昇給(収入増)の都度、積立額の見直しが必要となってきますので、そういった意味では少し面倒だと感じる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、見直しをルール化(習慣化)させることは、資産形成が生活に密着したものであるという大きな意味も含まれているのです。

 

定額制と定率制の比較

 

図1は年齢ごと金額を示しています。22万円、25万円といった金額は給与額を示しています。(令和4年度賃金構造基本統計調査:中企業100〜999人)

 

(1)は定額の2万円、(2)は給与の10%、(3)は(2)の半額となっています。

 

図2は、20歳から59歳まで40年間の累積積立額の推移です。預貯金額に近いものです。(1)の定額2万円では40年間で960万円。一方、(2)の支給額10%の場合は1452万円となります。給与が上昇した場合に金額を見直すという手間はありますが、習慣化することでこれだけの差が生まれます。

 

図3は、(3)の積立額で試算したものです。つまり支給額の10%の半額を預金に、残りの半額を投資信託等で年率3%の運用をした場合を想定しています。この場合は2022万円の資産となります。

 

 

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