2024年度の年金額・すべて68歳以下と69歳以上に分かれる?(3)

69歳以上の最低保障額対象者は少ない

もっとも、現実的に69歳以上の61万300円の最低保障額を受ける人はあまりいないと考えられます。というのは、3級の障害厚生年金を受けてきた人が65歳になると、老齢年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)を受給する権利が発生するようになり、3級の障害厚生年金と当該老齢年金、いずれかの選択になるからです。

 

つまり、老齢年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)か障害年金(3級の障害厚生年金)、どちらか片方を選択し、もう片方は支給停止となります(【図表2】)。

 

 

3級の障害厚生年金にたとえ最低保障があっても、老齢年金は基礎年金と厚生年金の2階建てであることから、老齢年金の合計額が3級の障害厚生年金の額より高くなることが多いでしょう。

 

その結果、65歳からは老齢年金を選択して、障害厚生年金が支給停止となるケースが多くなります。そうなると、最低保障額で受給する場合、61万300円となる人は少ないと考えられ、65歳未満で61万2000円となる人がほとんどとなるでしょう。

 

執筆者:井内義典

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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