「おくすり手帳」を出さない人は、毎回40円損してる!?「薬剤服用歴管理指導料」について解説

薬局に行く際についつい忘れがちなおくすり手帳。出すのと出さないのとでは、払う金額が変わってくるのをご存じですか?
 
2016年の診療報酬制度改正により、調剤した薬を受け取る際、料金に含まれる「薬剤服用歴管理指導料」が、おくすり手帳を出すと割引されるしくみになっています。
 
今回は、どんな場合にいくら安くなるのかを紹介します。また、機能満載のおくすり手帳のアプリや、自分で買えるお好みのデザインのおくすり手帳も紹介します。

薬剤服用歴管理指導料とは?

まず、薬剤服用歴管理指導料とは何かを説明します。

 

薬剤服用歴管理指導料は、薬学管理料の項目のひとつ

薬局の窓口で支払う料金の内訳は、以下の3つに分かれています。

 

●調剤技術料:調剤の基本的な料金

●薬学管理料:薬の情報提供や服薬指導の料金

●薬剤料:薬そのものの料金

 

区分ごとに基本料や加算がつき、それぞれ点数が割り振られています。そして、合計点数が1点10円で換算され、自己負担の割合で支払う料金が決まるのです。

 

おくすり手帳を提出することで割引されるのは、薬学管理料のうち、薬剤服用歴管理指導料。薬局の窓口で、薬の詳しいデータの書いてある紙が渡されますね。症状や服用したことがあるかも確認され、いつ何錠飲むかなど教えてもらいます。この一連の作業の料金が、薬剤服用歴管理指導料です。

 

窓口で薬をもらう場合、点数は次の2通りです。

 

1:3ヶ月以内に再度処方箋を持参した場合…45点

2:1以外か、1で手帳の持参がない場合…59点

 

つまり、前に薬をもらって3ヶ月以内なら、おくすり手帳を出せば45点になります。出さない場合は59点で、点数の差は14点。1点10円なので、その差は140円になります。

 

健康保険の加入者や扶養家族の場合、自己負担は1割から3割のいずれかです。

 

●3割:6歳~70歳の人、70歳以上で現役並みの所得のある人

●2割:0歳~6歳、70歳~75歳

●1割:75歳以上

 

3割負担の場合、140円×3割で約40円の差になります。おくすり手帳を持っていても、窓口に出して確認と記入してもらわなければ割引は適用されません。

 

調剤明細書を見てみよう

実際に、筆者の調剤明細書を見てみましょう(図表1)。

 

図表1

 

 

筆者撮影

 

図表1の下線の部分が服薬管理指導料で、「3月以内再来局・手帳なし」の59点となっています。これが、おくすり手帳を提出していれば45点だったのです。

 

この明細書の点数は、合計で186点です。186点×10円=1860円の3割負担で、558円。10円未満切り上げなので、自己負担額は560円でした。

 

おくすり手帳を忘れなければ、点数は172点。自己負担額は520円で、差額は40円となります。わずか40円ともいえますが、家族の人数分が積み重なっていくと考えれば大きいですね。

 

うっかり忘れ防止に効くおくすり手帳

ここからは、うっかり忘れ防止にぴったりなおくすり手帳を紹介します。

 

おくすり手帳のアプリ

アプリなら、忘れ防止だけでなくいろいろな機能がついて便利です。おくすり手帳カテゴリでの人気アプリと、日本薬剤師会推奨のアプリを取り上げます。

 

▼EPARKおくすり手帳

●9.8万のレビューで星4.5の評価

●アプリから調剤予約ができる

●マイナポータル連携で服薬情報が自動反映

 

▼eお薬手帳3.0(日本薬剤師会)

●処方箋画像を薬局に送信して待ち時間を短縮

●QRコードでお薬情報を登録できる

●飲み忘れ防止の服薬アラームを搭載

 

 

好みのデザインなら忘れない!

紙のおくすり手帳は市販もされており、Amazonや楽天市場などでもさまざまなデザインのものを300円から500円ほどで購入することができます。自分の好きなデザインなら愛着がわいて、うっかり忘れることがなくなりそうですね。

 

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