「食道がんステージ3」の症状・治療法はご存知ですか?医師が監修!

「食道がんステージ3」の症状・治療法はご存知ですか?医師が監修!

食道は、食物を口から胃へ運ぶ管状の臓器で、食事をするためには欠かせない臓器の一つですよね。そんな食道の代表的な病気として食道がんがありますが、食道がんについてや食道がんのステージについて、皆さんはご存じでしょうか。
本記事ではそんな食道がんのステージ3について以下の点を中心にご紹介します。

・食道がんのステージ

・食道がんステージ3の症状

・食道がんステージ3の治療

食道がんのステージ3について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

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監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

食道がんとは

食道がんは、食道の粘膜から始まるがんで、一度に食道内の複数の場所に発生することもあります。
食道がんは、早期食道がん、表在食道がん、進行食道がんの三つの段階に分けられます。早期食道がんは食道の粘膜内に留まり、表在食道がんは粘膜下層まで広がり、進行食道がんはさらに深い層まで広がります。

進行食道がんでは、がんは食道の外に広がり、気管や大動脈などの周囲の臓器に浸潤します。さらに、がん細胞は食道の壁内のリンパ管や血管を通じて全身に広がり、リンパ節や肺、肝臓などの遠隔臓器に転移します。
早期発見と診断が重要で、内視鏡を用いた治療により、早期の食道がんは治療できるとされています。

食道がんのステージ

食道がんは五つのステージ(病期)で進行段階が分類されています。それぞれステージごとに解説します。

0期

食道がんのステージ0期は、がん細胞が食道の内側を覆う粘膜層に限定されている状態を指します。この段階では、がんは食道の壁を透過して広がることや、リンパ節やほかの臓器に転移することはありません。
早期発見と適切な治療により、予後は良好とされています。

I期

食道がんのステージI期は、がん細胞が食道の粘膜下層まで広がっていますが、がんはまだほかの臓器に広がっていない状態を指します。また、食道の粘膜内にがんが留まっていますが、近接するリンパ節に転移している場合もI期に含まれます。

II期

II期の食道がんは、がん細胞が食道の筋層を超えて食道壁の外部に広がった状態、またはがんが筋層に留まっていますが、近接するリンパ節に転移している状態を指します。

III期

III期の食道がんは、がん細胞が食道の外部に広がり、リンパ節(食道壁に近いまたは少し離れている)に転移が見られる段階、またはがんは周囲の臓器に広がっていますが、転移は確認されない状態です。

IV期

IV期はがん細胞が周囲の臓器に広がり、リンパ節にも転移している状態(IVa期)や、ほかの臓器への転移が見られる状態(IVb期)です。IV期では、がんは体の広範囲に広がっており、治療はより複雑で困難になります。

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