「口内炎と口腔がんの違い」はご存知ですか?見分け方のポイントも解説!

「口内炎と口腔がんの違い」はご存知ですか?見分け方のポイントも解説!

口内炎を経験された方は多いのではないでしょうか。舌や頬の内側・歯茎に白い小さな円形で赤く縁取りのある潰瘍ができていたらこれはアフタ性口内炎といいます。

口内炎は放置しておいても大抵1〜2週間で治るのが一般的です。しかし、この期間を過ぎても潰瘍がなくならないことがあります。

その場合、口腔がんの疑いもあります。本記事では、口内炎と口腔がんの違いについて解説しますので、参考にしてください。

≫「口腔がんの初期症状」はご存知ですか?セルフチェック法も解説!医師が監修!

監修歯科医師:
熊谷 靖司(歯科医師)

熊谷歯科医院 院長

口内炎と口腔がんの違いは?

口内炎は口の中の粘膜や舌などにできた炎症です。原因は疲れ・ストレス・ビタミンB6の欠乏・薬剤などがあげられます。
また、熱い物を食べて口の中をやけどしたり歯や歯ブラシが当たったりして傷ができ、そこに細菌が入り込むことで口内炎になることもあります。
口内炎は、1〜2週間程度で自然治癒することが多いのですが、痛みが強い場合は口腔用ステロイド軟膏で痛みを軽減させることも可能です。
一方、口腔がんは、口の中にできるがんの総称です。口腔がんの半数近くは舌がんと呼ばれる舌にできるがんです。

口内炎と口腔がんの見分け方のポイント

口腔がんは初期段階で処置をするとほとんどの方が治癒するといわれています。しかし、口内炎と口腔がんの初期症状は非常に似ているため、口腔がんと気づきにくく発見が遅れる可能性が多いのも現状です。
早期発見するためには、以下の症状を参考に異変に気づいたら、かかりつけの病院を受診して検査することをおすすめします。

痛みがない

口内炎は、刺激物が染みる・熱いものや冷たいものにも刺激される、常にじくじくした痛みがあるなどの初期症状があります。しかし、口腔がんの初期は痛みがないのが特徴です。
また、痛みがないと口の中に異常があっても気づきにくいので、口腔がんを初期段階で発見するのは難しいといえます。初期段階を過ぎると痛みが出てくるので痛みがいつまでも続くようなら口腔がんを疑い検査してもよいでしょう。
さらに歯茎が腫れている・出血がある・歯がぐらつくなどの症状は、歯周病と間違いやすい症状ですが、歯肉がんの症状もよく似ているため、このような症状が3つ揃ってでている場合は、迷わず病院を受診しましょう。

2週間以上治らない

口内炎は1〜2週間ほどで治癒しますが、3週間以上たっても痛みがある場合は口腔がんの可能性があります。口腔がんの初期症状は口内炎とよく似ており気づきにくい上に、痛みがないので口内炎より軽く考えてしまいがちです。
まず口の中に異常を見つけたら毎日観察して記録するのもよいでしょう。また、口内炎は最初から痛みを感じるもので、徐々に痛みが出るのは口腔がんの疑いがあると覚えておきましょう。
また、口内炎は自然治癒するものなので、最初の痛みは徐々に軽くなっていくものです。いつまでも症状が続くようなら、口内炎ではないのかもと疑いましょう。

粘膜が変化する

口腔がんの場合は、舌や口腔内の粘膜が赤から白に変化していきます。また、舌が普段より赤いと感じるようになった場合も舌の異常を疑いましょう。
統計では口腔がんの半数以上が舌がんといわれています。この舌がんは舌の赤みがより強くなってただれてくるなどの症状が特徴です。
また、舌や頬の粘膜などにでき、こすっても剥がれない白い病変が「口腔白板症(こうくうはくばんしょう)」です。この「口腔白板症」の約3〜14.5%は将来口腔がんになる可能性があるといわれています。

固いしこりがある

口内炎にはしこりのようなものはできませんが、口腔がんは顎の下や首筋のリンパ節に硬い無痛性のしこりがあることで気づくことがあります。この場合は口腔がんのリンパ節への転移の可能性があり注意が必要です。
一方、舌がんの場合は舌の表面にざらざらしたしこりのようなものができることがあります。また、舌がただれたり舌の動きが悪くなったりすると、会話がうまくできないなどの症状でも口腔がんが進行している可能性を否定できません。
これらの症状は口内炎にも稀にある症状なので間違えやすいのですが、なかなか症状が治まらない場合は、がんかもと用心することは重要です。

関連記事: