「クレアチニンを下げる食事・飲み物」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「クレアチニンを下げる食事・飲み物」はご存知ですか?医師が徹底解説!

クレアチニンが高い人がなりやすい病気・疾患は?

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が突然つまる病気です。主に動脈硬化によって血管が狭くなったり、血栓という血の塊が詰まることが原因です。これらの症状は肥満・高血圧・高コレステロール血症・喫煙・糖尿病などの方が生じやすいといわれています。
実際の治療は、血栓を溶かす薬物治療・冠動脈を広げるカテーテル治療を行います。もし、胸痛や息苦しさがあれば、心筋梗塞の可能性があるため、循環器内科を受診してください。

脳卒中

脳卒中は、脳血管が詰まるか破裂することで脳組織に損傷が生じる病気です。主に高血圧・動脈硬化・心房細動などにより、血液の流れが悪くなり脳に十分な酸素や栄養を届けられなくなって生じます。脳血管が詰まる脳梗塞の場合には、血栓を溶かす血栓溶解療法などの薬物治療やカテーテル手術を行うことがあります。また、脳血管が破裂する脳出血やくも膜下出血では、再出血を予防する目的で手術を行うことがあります。
急にしゃべれなくなる・片方の顔や手足に麻痺が出るなどの症状が出た場合は脳卒中の可能性があるため、脳神経外科・脳神経内科を受診しましょう。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが数ヶ月~数年という長期間にわたって少しずつ低下していった状態のことです。慢性腎臓病は腎臓の機能が徐々に低下した結果、最終的には腎不全になる危険性があります。この疾患は糖尿病・高血圧などによって、腎臓へ長期的な負担が徐々に蓄積されることが主な原因です。実際の治療は、高血圧や糖尿病のコントロール・食生活の調整・進行を遅らせるための薬物療法などがあります。
むくみや疲労感などの症状が出たら腎臓の機能が低下している可能性があるため、腎臓内科を受診しましょう。腎臓病は自覚症状が出にくい病気です。しかし、一度進行すると改善が難しいため早期での治療が必要となります。健康診断などでクレアチニンの上昇や尿の異常を指摘された場合には早めに受診することをお勧めします。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は、糸球体という腎臓の小さな血管が損傷した結果、腎臓が正常に働かなくなることで起こる病気です。
健康な腎臓は、血液から不要な水分や老廃物を濾過して尿として排出する一方で、タンパク質や必要な栄養素は体内に保持します。しかし、ネフローゼ症候群になると、このフィルター機能がうまく働かないため、体内に保持すべきたんぱく質が尿と一緒に排出されてしまいます。
その結果、ネフローゼ症候群の方は、たんぱく質が大量に尿に漏れ出る「たんぱく尿」、血液中のたんぱく質が異常に低下する「低アルブミン血症」、体に水分が溜まってむくむ「浮腫」、血中の脂質が高まる「高脂血症」という4つの主要な症状が現れます。
ネフローゼ症候群になる原因は、特定の病気・遺伝的要因・アレルギー反応・または原因不明などさまざまです。
実際の治療は、原因疾患の治療を優先的に行い、免疫系を抑制する薬であるステロイドや免疫抑制剤を使用して症状の改善を行うとともに、むくみを減らすために塩分の摂取を控えた食事や、水分バランスも合わせて調整します。
ネフローゼ症候群は、そのまま放置すると腎機能が低下し、最終的には腎不全になる危険性もあるため、むくみや尿の変化に気付いたら、腎臓内科を受診しましょう。

「クレアチニンを下げる食事」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「クレアチニンを下げる食事」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血液検査でクレアチニンが高い状態が続くと腎臓病の危険がありますか?

伊藤 陽子(医師)

血液検査でクレアチニン値が高いと、腎機能が低下し、腎臓がクレアチニンを十分にろ過できていない可能性があります。そのため、クレアチニン値が長期間にわたって高い場合は、腎機能が低下していると考えられます。腎臓病は早期発見と治療が重要ですので、クレアチニン値の高い状態が続く場合は医療機関で詳細な検査が必要です。

玉ねぎには血液中のクレアチニンを下げる効果があるのでしょうか?

伊藤 陽子(医師)

玉ねぎなど食物繊維が豊富な食べ物はクレアチニンを下げる手伝いをする可能性はありますが、直接的に血液中のクレアチニンを下げるという明確な科学的証拠は現時点では不明です。そのため、クレアチニン値を下げるためには、特定の食品に頼るよりも、バランスの取れた食事と健康的な生活習慣が重要です。

食事の量を減らして痩せるとクレアチニンは下がりますか?

伊藤 陽子(医師)

食事の量を減らして痩せることで、筋肉量が減りクレアチニンが下がる可能性はあります。しかし、腎機能が良くなっているというわけではありません。食事を制限することによって筋肉量が減少すると、クレアチニンの産生量も減少し、クレアチニンを用いた腎機能評価ができなくなる可能性もあります。無理に食事の量を減らすことで健康を損なう可能性もあるため、医師の診断を受けて、自分の状態に合った治療法や食事療法を実施することが大切です。

お肉をよく食べる食生活だと、クレアチニンは下がりませんか?

伊藤 陽子(医師)

お肉はたんぱく質が多く含まれているため、よく食べる食生活の方はクレアチニンを下げるどころか、むしろ上がる可能性があります。腎機能が低下し、蛋白制限が必要な場合には肉を減らす必要があります。健康的な腎臓の機能を維持するには、バランスの取れた食事が重要なため、医師や栄養士と相談して、適切なたんぱく質の摂取量を決定しましょう。

クレアチニンが高い人はフルーツを食べても大丈夫ですか?

伊藤 陽子(医師)

フルーツはビタミン・ミネラル・食物繊維など、健康に必要な多くの栄養素を含んでいるので、ある程度であれば食べても問題ありません。ただ、バナナ・オレンジ・メロンなどは高カリウムのフルーツになるため、カリウム制限が必要な方では食べるのを控えましょう。

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