「心臓がチクチクする」原因・考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

「心臓がチクチクする」原因・考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

「心臓がチクチクする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「心臓がチクチクする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

不整脈

心臓の筋肉を動かすために、心臓のなかには刺激伝導系という電気の通り道があります。
この電気の流れが異常を起こしてしまった状態が不整脈です。
軽い不整脈の場合には、脈が一拍ずれる感じ、動悸、胸の違和感といった症状が出現することがあります。
重度の不整脈の場合には強い動悸、胸の苦しさ、意識が遠のく、失神などの症状が出現し、命の危険があることもあります。
心電図、24時間心電図などで評価されることが多く、軽症であれば経過観察のみで済むこともあります。症状が強い場合や数が多い場合、危険な不整脈につながるような場合では薬物治療や、なかにはペースメーカーなどの機械の植え込みを必要とすることもあります。
動悸や胸の違和感が出現する際には、自分の手首で脈を触ってみて、①脈の速さが1分間でどのくらいか、②リズムがおかしくないか、といった点を確認してみましょう。

大動脈疾患(大動脈解離、大動脈瘤)

大動脈解離は、裂けるような鋭い痛みが突然出現し、なかには痛みが移動する場合もあります。
血管が裂ける場所によっては、心筋梗塞や脳梗塞、腸や腎臓の血流障害などを併発することもあります。
診断にはCTや超音波検査、胸部レントゲン検査などが用いられます。
血管が裂ける部位によって、外科的な治療、カテーテル治療、保存的治療などさまざまな対応がなされます。
同じ大動脈の緊急性が高い疾患としては大動脈瘤があります。
大動脈瘤はほとんど症状が出現しないことが多いですが、徐々に大きくなる血管の瘤の影響で、胸やお腹の重苦しさなどの症状がみられることがあります。大動脈瘤は破裂すると致死率が非常に高い疾患であり、突然死の原因となることも多いです。
CT検査などで診断され、治療は緊急での手術以外ありません。
これまで経験したことがないような強い痛みが出現した場合には、速やかに救急要請をする必要があります。

肺塞栓症

肺の血管に血栓が詰まることで引き起こされ、突然の呼吸困難、胸の痛みなどで出現します。
診断は心電図や採血、心臓超音波検査、CT検査などで行います。
治療は詰まった血栓を溶かすような薬剤を用いた治療が必要であり、重症な場合にはカテーテル治療や人工呼吸器管理などの高度な治療を要することもあります。
命に関わることもある疾患であり、突然の呼吸困難を伴う胸の痛みが出現する際には、速やかな救急外来受診や救急要請が必要となります。

狭心症、心筋梗塞

心臓に栄養を送る血管の流れが悪くなることで生じ、心臓の血管の流れが悪くなると狭心症、完全に詰まってしまうと心筋梗塞を起こし、より重症化してしまいます。
典型的な症状として、胸の真ん中・左胸などに締め付けられるような強い胸痛があります。冷や汗や吐気を伴うほど強い痛みであることも多く、左肩や顎まで痛みが出現する放散痛を伴うこともあります。
心電図や血液検査、心臓超音波検査で診断し、速やかに心臓カテーテル治療を行う必要があります。
緊急性が非常に高く、命に関わることも少なくありません。
初期の症状としては動いた時に胸が苦しくなる、といった症状が出現しやすいため、普段ないような症状が出現した際には早めに循環器内科の受診を検討しましょう。
これまでないような強い症状が出現する、締め付けるような痛みが持続する、といった場合には速やかな救急外来の受診、又は救急要請が必要です。

「心臓がチクチクする」症状の正しい対処法は?

基本的には、「チクチクする」タイプの痛みの場合、緊急性はないため慌てる必要はありません。

持続時間が秒単位など短い場合は数日様子を見て、改善がなく、気になる場合には内科の受診を検討しましょう。症状の頻度が少なく、生活に特に支障がない程度であれば様子を見て頂き、悪化するようであれば受診を検討する、といった対応でも問題はありません。

痛みが持続する、生活に支障があるなどの場合には、日中の内科外来受診を早めに検討しましょう。持病がない若い方の場合は、市販の痛み止めの使用を試してみるのも良いです。ただ症状が改善しない場合には、早めに病院を受診しましょう。

皮疹がある場合は、日中に皮膚科外来を受診しましょう。

ストレスや疲労、生活習慣の乱れが原因となることは多いため、十分な睡眠の確保、バランスの取れた食生活、ストレスを発散する、過度の飲酒などは避けるといったこともとても大切となります。

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