夫の年収「450万円」、妻の年収「650万円」の我が家。うちのような夫婦の割合はどのくらいますか?

夫婦で共働きの場合、お互いの年収はそれぞれ異なります。
そのような中、妻の年収が高いことが気になっている方もいるでしょう。
 
今回は夫の年収が450万円、妻の年収が年収650万円の夫婦の割合や妻の年収のほうが高い割合を調査しました。
女性の年収が高くなっている背景も紹介しています。

夫の年収が450万円、妻の年収が年収650万円の夫婦の割合は?

参議院常任委員会調査室・特別調査室が発表している「パワーカップルなど結婚にまつわる収入の格差について」の「夫と妻の所得階級別に見た共働き世帯数」によると、夫の400万円台、妻の年収が600万円台の夫婦は2万3500世帯とあります。

 

調査対象が903万8000世帯であるため、全体の割合としては0.3%ほどです。

このことから、夫の年収が450万円、妻の年収が年収650万円の夫婦はそこまで多くありません。

 

なお、年収に関係なく妻の年収のほうが高い世帯数については、67万3800世帯となります。

割合でいうと全体の7%ほどになるため、妻のほうが年収の高い世帯は少ないといえるでしょう。

 

女性の年収が高くなっている背景

全体の割合で見るとまだまだ夫の年収の方が高い傾向にあります。

しかし、女性の年収についても、徐々に高くなってきているようです。

 

女性の年収が高くなってきている背景として、以下の3つがあげられます。

●管理職に就く女性の割合が増えている

●女性の社会進出がしやすくなっている

●多様性のある働き方が増えている

それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。

 

管理職に就く女性の割合が増えている

女性の年収が高くなってきている理由の一つとして、管理職に就く女性の割合が増えていることがあげられます。

厚生労働省が発表している「『令和4年度雇用均等基本調査』結果を公表します」によると、企業規模30人以上の女性管理職割合は以下の通りです。

 

表1 

年度 課長相当職以上 係長相当職以上
平成21年度 6.3% 8.0%
平成23年度 6.8% 8.7%
平成25年度 6.6% 9.0%
平成27年度 7.8% 10.2%
平成28年度 8.7% 10.4%
平成29年度 8.9% 11.1%
平成30年度 8.7% 11.4%
令和元年度 9.5% 12.2%
令和2年度 9.7% 12.9%
令和3年度 9.5% 12.8%
令和4年度 10% 12.9%

※厚生労働省 「『令和4年度雇用均等基本調査』結果を公表します」を基に筆者作成

 

上記の表を見ても分かるように、女性が管理職として働く割合は平成21年度と令和4年度で4%ほど増加しています。

管理職は一般社員に比べて基本給の高さや役職手当で収入が高くなりやすいため、結果として年収アップにつながっているといえるでしょう。

 

女性が社会進出しやすくなっている

女性が社会進出しやすくなっているのも、年収アップにつながっている理由の一つとして考えられます。

具体的には、セクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)やパワーハラスメント(以下、パワハラ)・妊娠や出産に対するハラスメントの防止に取り組んでいる企業が多いようです。

●セクハラ:85.9%

●パワハラ:84.4%

●妊娠や出産に対するハラスメント:81.5%

セクハラやパワハラによるトラブルが少ないと、女性としても働きやすい環境といえるでしょう。

また、妊娠や出産後に職場復帰しやすいのも、女性が社会進出しやすい理由の一つです。

 

結果として長く働ける企業が増えており、女性の年収アップにもつながっています。

 

多様性のある働き方が増えている

働き方改革によって、多様性のある働き方が増えているのも女性の年収アップにつながっている理由の一つです。

厚生労働省「働き方改革の実現に向けて」によると、働き方改革について「この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。」と述べています。

 

具体的にはテレワークやフレックスタイムの導入があげられるでしょう。

テレワークであれば場所に関係なく仕事ができますし、フレックスタイムで出退勤を調整すれば子どもの送り迎えにも活用できます。

 

また、フリーランスや個人事業主として働くのも選択肢の一つです。

働き方に縛られなくなったのは、年収アップの要因になっているといえます。

 

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