30代で「引きこもり」の息子がいます。もうすぐ「定年」ですが、この先息子を養っていけるでしょうか?

子どもだけでなく、大人でも「引きこもり」の方は少なからず存在します。
定年に近づくと、子どもを支えながら生活できるのか不安に感じる方も少なくありません。
 
厚生労働省では、引きこもりの方を支援するためのサイトやさまざまな制度があるため、不安を覚えたら活用してみましょう。
 
今回は、引きこもりの方の割合や、利用できる支援などについてご紹介します。

引きこもりの方はどれくらいいる?

内閣府が公表している「こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)」では、調査内において広義の引きこもりを以下の条件に該当する方と定義しています。

●「普段どのくらい外出するか」という質問に「趣味の用事のときだけ外出する」、「近所のコンビニなどには出かける」、「自室からは出るが家からは出ない」、「自室からほとんど出ない」のいずれかを回答

●上記の状態が6ヶ月以上

●妊娠や出産、育児、介護、病気、仕事など以外の理由で上記に該当する

同調査によると、これらの条件に該当する方は15歳~39歳で2.05%、40~69歳で2.97%です。

さらに、全国の引きこもり人数を計算すると、内閣府の推計で146万人いることになるようです。

 

また、引きこもりの方のうち30~34歳の方が16.0%、35~39歳が20.8%でした。

 

結果より、引きこもりの方のなかでも、30代の方は多い傾向にあることが分かります。

 

しかし、たとえ30代で引きこもりの方が全体的に少なくなかったとしても、自分の子どもには自立するか、せめて家から出られるようになってほしいと考える親もいるでしょう。

加えて、親が定年により生活を支えにくくなるケースもゼロではありません。

 

子どもが引きこもりで今後の生活について悩んでいる場合は、支援の活用も検討しておきましょう。

 

引きこもりの方が利用できる支援

厚生労働省の支援ポータルサイト「ひきこもりVOICE STATION」では、相談会やシンポジウムといったイベント情報などを閲覧できます。

さらに、当事者や経験者の声を聞けるため、引きこもりの方の気持ちを少しでも知る手段として有効です。

 

また、子どもがやがて自立できるようにするため、ひきこもり地域支援センターや自立相談支援機関などを利用する方法もあります。

ひきこもり地域支援センターでは、専門家が来所や訪問により相談を受けてくれたり、関係機関と連携して相談内容に合った支援をしてくれたりする点が特徴です。

 

さらに、同じ悩みを抱える方が集まる自宅以外の居場所づくりも行っており、親に打ち明けられない悩みを相談できる可能性もあります。

少しずつ外出できるようになったら、ボランティア活動や就職をサポートしてくれるケースもあるので、状況に応じて相談してみましょう。

 

自立相談支援機関は、生活が苦しかったり住むところがなかったりなど生活に困っている方向けの「生活困窮者自立支援制度」です。

状況に応じて給付金の案内や就労訓練なども受けられます。

生活に困窮している際の、包括的な支援を受けられる点が特徴です。

 

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