窓掃除を短時間できれいに仕上げるコツ
「日々の掃除では、なかなか窓掃除まで手がかけられていない」という家庭は多いのではないでしょうか?外に面している側は雨の水垢や土ぼこり、部屋に面している側は手の皮脂汚れが蓄積しています。
網戸やサッシ部分も、知らないうちにホコリやカビだらけになっていることも珍しくありません。「できるだけ簡単かつ時短で窓掃除をきれいに仕上げたい」という人は、まず以下の二つのコツを押さえておきましょう。

曇った日に掃除するのがベスト
窓を掃除する際、苦戦するのがこびりつき汚れです。水拭きしただけでは落ちないことも多く、すっきりしない人もいるでしょう。
少しでも汚れを落としやすくするためには、晴れた日よりも「曇りの日」が最適です。曇っている日は室内よりも外気の湿度が高くなります。こびりついた汚れがやわらかくなり、落としやすくなるでしょう。
晴れた日のように、こびりついた汚れをホースや霧吹きで水を吹きかける手間が省けます。ちょっとした汚れなら濡れ雑巾で簡単に掃除できるようになるはずです。
さらに、曇りの日はガラスに反射して見えづらい小さな汚れも見つけやすくなり、掃除がスムーズに進みます。
洗剤は窓に直接吹きかけない
窓の汚れは、外部や内部のホコリや皮脂汚れのほかに、洗剤や水の拭き残しによるものがあります。「拭いても跡が残ってしまう…」という場合は、窓に直接洗剤をかけていることが原因かもしれません。
窓に洗剤を直接吹きかけると、場所によってかかる洗剤の量が変わってムラができてしまいます。さらに洗剤がダラダラと垂れて筋を作るため、うまく拭き取れないこともしばしばです。そのまま液だれが乾いて、新たな汚れとなってしまうでしょう。
洗剤を使用するときには、雑巾に吹きかけて全体になじませてから窓を拭くようにします。「雑巾で汚れを集め取る」ようなつもりで掃除すれば、きれいになるでしょう。
窓拭きに使える洗剤はどれ?
いざ窓掃除をしようとしたとき、どんな洗剤を用意すればいいのか迷ってしまうのではないでしょうか?掃除をするときは、汚れの質に合わせた洗剤を選ぶと効果的です。
特に子どもがいる家庭では、窓をベタベタと触って手の跡がたくさんついてしまうことも少なくありません。しっかり汚れを落とせるおすすめの洗剤を紹介します。

子どもがいる家庭も使えるアルカリ電解水
「アルカリ電解水」とは、その名の通り電気の力で水をアルカリ性と酸性に電気分解した液体です。タンパク質を分解する力があるため、窓についた皮脂汚れを落としたいときには効果を期待できます。
殺菌・消臭効果もあり、掃除にはもってこいのアイテムです。ネットや100均、スーパーなどの身近で手に入ります。普通の水から作られた液体で、なるべく自然由来のものを使いたいという人を中心に、近年注目されています。
普通の洗剤と同様に、雑巾に吹きつけてなじませたら窓を拭いていきましょう。液だれ防止のため「縦ではなく横」にスライドさせます。横であれば、多少液だれしてもすぐ下を拭き取れば大丈夫です。
両端は、しっかり拭けるように「コの字」を描くように心がけるとうまくいきます。
手垢が気になる窓には重曹を
手垢の主成分である皮脂汚れは酸性です。汚れは、中和することで落としやすくなります。アルカリ性の重曹を水と混ぜて「重曹水スプレー」を作ると便利です。
家庭で作る際には、ぬるま湯100mlに対して小さじ1杯の重曹を溶かす割合にすれば掃除に適した濃度になります。スプレー容器に詰めたら、通常の洗剤と同様に雑巾で水拭きしていきましょう。
重曹水スプレーは、重曹を多く入れるほど、洗浄効果が高まるものではありません。粉状の重曹は溶けにくく、分量が多すぎると水が乾いた後に白く残ってしまうことがあります。
適正量で作ったうえで、重曹水スプレーで拭いた後に再度水拭きするのがおすすめです。より丁寧に仕上げるには、重曹をさらに中和させて跡を分解するために、クエン酸水で水拭きするのもよいでしょう。
クエン酸水は水100mlに対し、クエン酸小さじ1/2の割合です。
ピカピカにするために必要な道具は?
窓拭きというと「バケツに水をためて雑巾で拭く」というイメージがありますが、より短時間かつ効果的に窓をきれいにするアイテムがあります。水拭きだけではなかなか落ちない汚れも、便利な道具を活用してピカピカにしましょう。

スクイジーとマイクロファイバーは必須
冬場に窓の内側につく水滴は、カビや水垢の原因となります。付着した水分をホコリと一緒に回収してくれるのが「スクイジー」です。
手で持つ小型のワイパーのような道具で、上下左右に動かしていけばブレード部分が水滴をしっかり切ってくれます。
水分の吸収力に優れている「マイクロファイバークロス」も窓拭きにぴったりです。一般的な雑巾は縫い目が粗く、窓掃除の際に細かい繊維が残ってしまうことがしばしばです。
マイクロファイバークロスは髪の毛よりも細い極細の繊維で作られており、繊維自体にも凹凸があります。細かな縫い目や繊維の凹凸が水分や汚れを残さずキャッチしてくれるうえ、繊維のほつれもほとんどありません。
新聞紙でもOK
新聞紙に使われているインクと繊維は、窓の汚れを落とすのに効果的です。新聞には油性のインクが使われていますが、この油分が手垢などの皮脂汚れを分解してくれます。
さらに、新聞紙の油分をワックス代わりとして窓を磨けば、ツヤだしや曇り止めのような効果も期待できるでしょう。
窓掃除するときには、丸めた新聞紙を軽くぬるま湯に浸して水拭きし、さらに乾いたままの丸めた新聞紙で乾拭きします。使い終わったらそのままゴミに出せるのもうれしい点です。
時短グッズを使うならケルヒャー
「本格的に汚れを落としたいけど、短時間かつ簡単に掃除を終わらせたい」という願いには「ケルヒャー」の「窓用バキュームクリーナー」が役立ちます。
ブラシとバキュームがついており、ブラシで浮かせた汚れをバキュームが水滴や洗剤ごと吸い取る仕組みです。洗剤の液ダレや拭きムラ、最後の乾拭き仕上げも必要ありません。
片手で持って操作できるほどのサイズと重さで、掃除中の負担も軽くなります。
網戸は外さずに2ステップで掃除
窓掃除するときには、網戸の汚れも忘れずチェックしたいところです。窓と同じく雨風にさらされており、網目には様々な汚れが引っかかっています。
長く掃除を忘れていると、汚れ成分が組み合わさって頑固なこびりつきになってしまうでしょう。とはいえ、網戸は外して掃除すると大がかりで大変です。毎回外さなくても、正しいステップを踏めばしっかりきれいになります。

掃除機で汚れを除去
窓掃除をする際、いきなり水拭きするとゴミが絡まって掃除しにくくなります。水分を掃除機に吸わせることは故障の原因にもなるので避けたいところです。まずは、網目に引っかかっている大きな汚れを除去するため、全体に掃除機をかけましょう。
網戸は細かな穴が開いており、そのまま掃除機を当てて吸おうとしても本来の吸引力を発揮できません。網戸の片側に新聞紙を貼って吸引しやすいようにすることがポイントです。
準備ができたら、網目の間に詰まった細かな汚れを逃さないように、掃除機のヘッドをノズルに切り替えて汚れを吸い上げていきましょう。
濡れ雑巾を2枚使って一気に拭く
掃除機で目立つ大きな汚れが落とせたら、濡れ雑巾を使った水拭きで仕上げます。水分をしっかり絞った雑巾2枚で網戸を挟むようにして、上から下にスライドさせながら掃除しましょう。
雑巾2枚で網戸を両側から支えるため、網戸がたわむことなく傷んでしまう心配がありません。網戸は、やわらかな素材ゆえ「片面拭くとうまく力が入らない」といった悩みも解消です。汚れが片側に逃げることもなく、しっかり掃除できます。
窓の外側の掃除手順
窓の外側は、砂・花粉・ホコリなどの汚れがくっついています。掃除をすればしっかり日光が差し込むようになり、家の中が明るくなるでしょう。
窓の外側も、いきなり水をかけて掃除するのは間違った方法です。正しい掃除手順で効率的に掃除し、きれいな仕上がりをめざしましょう。

ホコリや花粉を落としてから拭く
窓の外側を掃除するときにも、まずはホコリや花粉などの汚れを落として下準備を整えることが秘訣です。表面に付着しているこびりつき汚れではない汚れは、水分を加えると落としにくくなります。乾燥した状態のまま掃除するのがおすすめです。
雑巾や不要になったストッキング、丸めた新聞紙などを使って汚れを拭き取りましょう。「洗車ブラシ」が家にある場合は、窓ガラスの掃除にも応用できます。掃除できる面が大きいため効率がよいうえ、ガラスの表面を傷つける心配もありません。
「一気に水で洗い流しながら掃除したい」という人は、スクイジーを使いましょう。窓の外側の汚れは油性のものは少ないため、洗剤を使わなくても水で簡単に落とせます。
窓に水を吹きかけたらゴム製の「ブレード」部分を水平に置き、上から下にまっすぐ降ろすだけです。
手が届かない窓はワイパーを活用
窓が大きくて上の方まで手が届かない場合は「柄の長いワイパー」を使うのがおすすめです。窓の高さに合わせて長さを調節できるタイプのものがよいでしょう。
ワイパー部分にゴムとスポンジがついているものが一般的ですが、形状はスクイジーと同じなため使い方は簡単です。
バケツに洗剤を混ぜたぬるま湯をため、スポンジ部分に吸わせたら窓を上下に掃除します。最後はブレード部分で、浮いた汚れごと水分を落とせば掃除完了です。
細かい部分の掃除手順
窓ガラス全体を掃除してあらかたきれいになったら、気になってくるのが細かい部分の汚れです。サッシやゴムの部分の黒ずんだ汚れは、ホコリやカビがたまっています。
なかなか手が届かず掃除しにくい場所ですが、きちんと掃除すれば見違えるようになるでしょう。

泡状のウタマロでサッシを拭く
市販の「ウタマロクリーナー」は、アミノ酸成分を配合した住宅掃除用洗剤です。窓掃除はもちろん、水回りやキッチン、換気扇などあちこちに使えます。
ウタマロクリーナーをサッシに直接吹きつけると、泡状になった洗剤が汚れを浮かせてくれるため、雑巾で拭き取れば完了です。雑巾が届かないような四隅は、綿棒やクッキングペーパーなどを巻きつけた割りばしを使えばきれいに拭き取れます。
ゴムの汚れはクエン酸と重曹で除去
ゴムの部分にはカビが発生していることが多く、通常の洗剤だけではなかなか落とし切ることができなません。
「塩素系漂白剤はにおいがキツイ」「ペットや子どもがいるからなるべく強い洗剤を使いたくない」という場合は、クエン酸と重曹で念入りに掃除しましょう。
粉状の重曹に少しずつ水を加えて「重曹ペースト」を作ります。黒ずみが気になる場所に塗りつけて数分放置した後、雑巾でしっかり拭き取ればある程度のカビの除去が可能です。
よりしっかりとカビを退治するなら「クエン酸水」をプラスしましょう。重曹を雑巾で拭き取る前に重曹の上からスプレーして、ラップで密閉して約1時間放置すればOKです。最後に雑巾やブラシで擦れば、カビがきれいに落ちます。
落ちない汚れにはカビキラー
いろいろと手を尽くしてもどうしても落ちない頑固なカビは、塩素系の漂白・殺菌成分を持つ「カビキラー」を使いましょう。
カビキラーを気になる場所にスプレーしたら、約15分放置して浸透させ、濡らした雑巾で拭き取ります。洗剤では取りきれなかった深い部分に根を張ったカビに有効です。
塩素系の洗浄剤は、強い成分が使われています。ゴム手袋をして肌を守り、気化した成分を吸い込まないようにマスクをすることが大切です。使用中はしっかり換気し、終わったら手と顔を洗いましょう。
特に、酸性の洗剤と混ざると有毒ガスが発生する可能性があるため、単品での使用が重要です。
まとめ
窓掃除はあまりする機会がなければ大がかりで難しいように思えますが、手順とコツさえ知っておけば身近なもので手軽に掃除できます。
こまめに窓掃除を行い、ピカピカの清潔な窓を保ちましょう。