布団乾燥機で薬剤を使わずダニ対策。退治の手順とおすすめ機種6選 

第7回 暮らしの便利グッズで家事を楽しく!
ダニは季節によって増減するものの、何もしなければ退治することはできません。ダニがいると感じたら、なるべく早い対応が必要です。薬剤の使用に不安がある人は、布団乾燥機でダニを一掃しましょう。退治の手順とおすすめの布団乾燥機を6種類紹介します。

もしかして?と思ったら早めにダニ対策

「最近、換気や布団干しができていないな」と感じたら、ダニ退治を検討するのがおすすめです。

「どう対処したらよいかわからない」という人は、まずはダニについて知ることから始めましょう。ダニの種類や、ベッドでダニが増えやすい理由を紹介します。

人に害を及ぼすダニの種類

屋内のダニは、「屋内塵性(じんせい)ダニ類」と総称されます。

主なものとしてヒョウヒダニ・コナダニ・ツメダニ・イエダニなどがいますが、このうち人を咬んだり吸血したりするのはイエダニ(まれにツメダニも咬む)です。布団から出たときにかゆみや赤味がみられれば、これらのダニによるものかもしれません。

一方、ヒョウヒダニやコナダニは直接咬んだり吸血したりはしませんが、無害な存在というわけではありません。ヒョウダニのフンや死骸はアレルゲンとなりますし、コナダニはツメダニのエサとなります。

コナダニが繁殖すれば有害なツメダニも増え、ツメダニ被害に悩まされることとなるでしょう。

ベッドで繁殖しやすい理由

ベッドの中は人の体温や汗で温度・湿度が高い上、風も通しません。これは、ダニにとってもっとも好ましい環境といえます。

ダニが繁殖しやすいのは「高温多湿」な場所です。温度20~30度、湿度60~80%ほどの好条件がそろっていれば、ダニはどんどん増えていきます。

また、エサが豊富だということも、ベッドでダニが繁殖しやすい理由のひとつです。ほとんどのダニは、人の皮脂やフケなどを主食とします。人の汚れは布団に付着しますから、ベッドの中ならダニはエサに困らないというわけです。

通常、ダニの寿命は2~3カ月といわれます。しかし、死ぬまでに卵を産み付けるので、ダニの増殖は止まりません。

布団乾燥機でダニを退治しよう

ダニは高温に弱く、一定時間高温にさらされると死滅するといわれています。布団乾燥機を使えば、増殖したダニを一網打尽にできるかもしれません。

ただし、ダニ退治を徹底するには、布団乾燥機を正しく使うことが大切です。布団乾燥機でダニ退治を行う際、覚えておきたいポイントを紹介します。

ダニが死滅する温度と時間

ダニは、50度の熱なら20~30分程度で退治できます。また、より高温の60度以上なら、一瞬でダニを死滅させられます。

布団乾燥機を使う場合、目安となる使用時間は1時間以上です。実際のところ、「ダニ退治モード」付きの布団乾燥機の多くは、2時間以上を目安としています。ダニをきちんと退治するには、布団の高温状態を長く保つことが重要です。

死滅後は掃除機をかける

布団乾燥機によってダニを死滅させても、ダニのフンや死骸は布団に残っています。使用後は必ず掃除機をかけ、フンや死骸をきれいに取り除きましょう。

ダニのフンや死骸は、アレルギー症状を引き起こす原因となります。一定量を超えて接触・吸引すれば、アレルギーだけでなく喘息も発症するかもしれません。

一度アレルギーや喘息を発症すると、完治までには長い時間が必要です。ダニを退治したからと安心せず、きちんと後処理まで行いましょう。

布団乾燥機の活用方法

布団乾燥機を有効に使うには、家庭にあった機種を選んだり、適切な乾燥頻度や乾燥方法を守ったりすることが大切です。

布団乾燥機を有効活用するためのポイントをみてみましょう。

家庭に合ったタイプを選ぶ

布団乾燥機は、大別すると「マットなし」「マットあり」の2種類があります。

まず、マットなしタイプは、送風口を直接布団のなかに差し入れて使用します。事前のセッティングが不要なため、思い立ったときに使えるのが魅力です。

高頻度で布団乾燥機を使ったり、準備や片付けにかける時間がなかったりする家庭には、このタイプが向いています。

一方、マットありタイプは、布団の中に入れた付属マットに熱風を送り込んで使用します。マットによって隅々まで熱が行きわたるので、乾燥ムラができにくいのがメリットです。

環境的に布団が干しにくい家庭なら、徹底的に乾燥できるマットありタイプを選ぶのもよいでしょう。

季節によって頻度を変えて乾燥を行う

ダニがもっとも繁殖しやすいのは、梅雨や夏です。この時期は布団乾燥機の出番を増やし、ダニ退治や抑制に努める必要があります。

まず、ダニの抑制が目的の場合は、1~2週間に1回程度の使用がおすすめです。一方、ダニ退治が目的なら、より頻度を上げて布団乾燥機を使う必要があります。少なくとも1日2回の布団乾燥を3日連続で行いましょう。

ただし、低温かつ乾燥しがちな冬などは、乾燥機を使うペースを落としても問題ありません。ダニ抑制が目的なら、1カ月に1回程度の使用で十分です。

マットレスも乾燥させるとより効果的

マットレスに布団乾燥機を使う場合は、まず底面を持ち上げて、厚みのあるもので支えます。ベッドと底面の間に隙間をつくり、そこに布団乾燥機を差し込みましょう。

このとき、ダニ退治機能があればそれを選びますが、ない場合は2時間程度乾燥機を稼働させるのがベターです。

一般的に、マットレスは内部が空洞になっているため、ダニは繁殖しにくいといわれます。

しかし、掛け布団にダニがいれば、それがマットレスにも移っている可能性があります。底面は湿気が溜まりやすいので、気が付いたときに乾燥させることが大切です。

マットなしタイプのおすすめ布団乾燥機

布団乾燥機の出番が多そうな家庭には、手間のかからないマットなしの布団乾燥機が便利です。コンパクトなものからデザイン性の高いものまで様々あるので、好みや使い勝手を考慮して選んでみましょう。

マットなしタイプのなかから、おすすめの布団乾燥機を紹介します。

コンパクトなアイリスオーヤマ「カラリエ」

収納場所が少ない家庭でも「アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)」の「カラリエ」なら困りません。

高さ約36cm×幅約16cm×奥行き約14cmの布団乾燥機は、隙間収納にぴったりなコンパクトサイズです。重さも1.8kgと軽量なため、家の中での持ち運びもラクチンでしょう。

「立体ノズル」を装着していることもカラリエの魅力のひとつです。布団に差し込むだけで中に空間ができ、熱を布団全体に行きわたらせることができます。

本体にはダニ退治機能を含む四つの自動モードがあるほか、タイマー機能も付いています。手動モードなら靴や衣類の乾燥にも使えるなど、用途は様々です。

・Amazon:アイリスオーヤマ 布団乾燥機 カラリエ

シャープ「UD-CF1」は消臭もしてくれる

枕や布団の臭いが気になる場合は、消臭効果も期待できる「シャープ(SHARP)」の「UD-CF1」がおすすめです。熱風とシャープ独自の空中洗浄技術「プラズマクラスター」が、加齢臭や汗臭、カビ臭やおねしょ臭まで消臭します。

送風口部分に採用された「きのこアタッチメント」も、UD-CF1の特徴のひとつです。胞子をとばすきのこを模して作られた独特の形状によって、強い勢いで効率的に熱風を拡散させます。

送風口を布団に差し込むだけで、ダブルサイズの布団でもすばやく隅々まで乾燥させることが可能です。布団の乾燥以外にも、衣類や靴の乾燥、さらには小空間の空気清浄機・消臭などに使えます。

・楽天:シャープ 布団乾燥機 UD-CF1

大容量の熱風でダニ退治 テスコム「TFD100」

テスコムの「TFD100」は、ダニ退治に有益な「おひさまドライ」機能が特徴です。オゾンを含んだ大風量の熱風を発生させ、約55%のダニを駆除することができます。

ダニ退治と同時に消臭効果も期待できるので、乾燥後の布団は天日干ししたあとのように快適です。

マットなしでも熱風が隅々まで行きわたるのは、テスコムが培ってきたドライヤー技術が応用されているためです。トップクラスの大風量が布団を持ち上げ、温めムラをつくりません。布団の奥までスピーディに乾かしてくれます。

選択できるコースは三つですが、手動での操作も可能です。

・Amazon:テスコム 布団乾燥機  TFD100

おしゃれなブルーノは最高温度が約75℃

木目調のデザインがナチュラルな印象の「ブルーノ(BRUNO)」は、デザイン性の高さが魅力です。見た目だけではなく実用性も高いため、「デザインも機能も」という家庭にはぴったりでしょう。

高さ約22.5cm×幅約36 cm× 奥行き約11.5 cmというコンパクトなサイズ感ながら、熱風の最高温度は約75度と高温です。30分も稼働させれば、布団の隅々にまで熱風が行きわたります。

操作は極めてシンプルで、乾燥モードは「夏」「冬」の二つだけです。ただし、手動で細かい設定もできるので、用途に合わせて使い方を変えられます。

・楽天:ブルーノ マルチふとんドライヤー

マットタイプのおすすめ布団乾燥機

マットタイプの布団乾燥機は、掛け布団と敷き布団の間に付属マットを入れ、そこに熱風を送り込みます。布団の隅々まで乾燥させやすく効率がよいといわれますが、付属マットと布団のサイズが合うかどうかをきちんと確認することが大切です。

マットタイプでおすすめの布団乾燥機を紹介します。

布団をしっかり包み込む三菱電機のAD-X80

「三菱電機(Mitsubishi Electric)」の「AD-X80」は、付属の「ヒートパンチマット」で布団を包んでダニ退治できるのがポイントです。この新機能により、ダニは逃げ場がなくなります。

乾燥機を稼働させれば布団表面は約60度の高温となり、ダニを退治できるでしょう。「銀ナノアレルパンチフィルター」で清潔に乾燥できるほか、部屋の温度に合わせて温度を調節する「快適温度コントロール機能」も付いています。

枕専用マットも付いているので、枕に潜むダニ退治も可能です。

・楽天:三菱電機 AD-X80

マルチに使えるパナソニックのマットタイプ

ダニ退治だけではなく、小物や靴、衣類の乾燥もできるのがこちらの商品です。専用のアタッチメントやカバーが付属しているので、布団乾燥機を様々な用途で使うことができます。

布団乾燥を行う際は、本体部分から付属マットを出して、布団の上に広げるだけでOKです。上から掛け布団を掛けてスイッチを入れれば、50度以上の熱風がダニを退治してくれます。

・Amazon:パナソニック FD-F06J7

まとめ

布団のダニを退治するには、布団の中をダニが死滅するほどの高温に保つことが大切です。布団乾燥機を適切に使い、ダニが繁殖しにくい環境を整えましょう。

ダニの繁殖を放置すると、不快な咬みあとが体に残るだけではなく、アレルギーや喘息を発症する危険もあります。「たかがダニ」と楽観せず、清潔で快適な睡眠環境の確保を目指しましょう。