無臭も手放しでは喜べない

余談にはなりますが、全くにおわない尿もまた正常とは言い難い状態です。
なぜかというと、猫の宿敵である『慢性腎不全』のサインだからです。
冒頭でも紹介したように、猫のおしっこが作られる仕組みは特殊です。この特異体質は生きるうえで必須な反面、腎臓に負荷をかけるというデメリットがあります。
猫が往々にして腎臓を患いやすいのはこのためで、老廃物をろ過する機能が低下した腎臓からは薄い尿しか排出されなくなってしまいます。
その結果、本来であれば感じ取れるはずのアンモニア臭やフェリニンのにおいが消えてしまうのです。
最近愛猫の尿が全くにおわなくなったという場合は、一度詳しく診てもらってください。
まとめ

猫は砂漠という環境に適応するために特異体質を備え、ここまで生き延びて来ました。
猫のおしっこがくさいのは、そもそものメカニズムと、フェリニンという猫のみが持つ特殊な成分が原因です。これ自体は猫の体質によるものなので、特に心配しなくても大丈夫です。
問題は強烈な悪臭を放つケースと甘酸っぱい独特のにおいを示すケース、更には無臭という矛盾に似たケースです。
日頃から新鮮な水が飲める環境を整えて水分補給を促し、こまめにトイレを掃除してあげてください。それでも異変が現れた場合は遅くとも翌朝には診察を受けるようにしましょう。
早期発見・早期治療は猫の健康寿命を確実に伸ばします。些細なことですが、おしっこのニオイを気にする習慣をつけておくと安心です。
配信: ねこちゃんホンポ
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