過労状態を教えてくれるサインはあるもの?
とはいえ難しいのは、どこまでが単なる疲れで、どこからが過労になるのか、その線引きと見極め。同じことをしても疲れの感じ方は人によって異なるし、体調や心の状態によっても変わってくる。自分が過労状態に陥っていると気づくことができる、何かサインはあるものでしょうか。
「悩みを継続的に抱えてしまうと、体調が悪くなる傾向がありますよ」。
そう話すのはカウンセリングルーム アンフィニの心理カウンセラー・青柳雅也さん。具体的にどんな症状が現れるのか、その兆候は次の通り。
体の過労サインが2週間以上続いたら要注意
□不眠・早朝覚醒
…人は睡眠や休息時、副交感神経が優位に働き、体温や血圧を低下させる。しかし、過労によってストレスがたまると交感神経が優位に働きやすくなり、眠りにくく睡眠が浅くなる。
□倦怠感
…神経伝達物質がなんらかの原因により、うまく体の中を巡らないため「疲れ」「だるさ」が引き起こされる。
□食欲不振
…交感神経が優位に働くと、内臓の消化機能はその機能を低下。ストレスなどで交感神経優位な状態が続くことによって、食欲は低下しがち。
これらは代表的な症状のほんの一部。疲労や心労によって発生するストレスは、人体の様々な機能に影響を及ぼすことがよくわかります。
青柳さんは「こうした状態が2週間以上続く場合は、専門機関を訪れることをお勧めしますし、もっと早い未病段階でのカウンセリングを勧めます。」と、注意を促す。
こうした状態を解消するには…? もっとも簡単に思い浮かぶのは、ストレスの原因から物理的にも心理的にも距離を離すことですが、「多くの人は『問題』『悩み』を抱えながらも、『現状維持』をする傾向にあります」と、青柳さん。ストレスの原因がわかっていても、そこから離れることができないという人は多いのだそう。
「人生は長く、時間が有限だということは、なかなか意識しづらいからです。だから、もうちょっと我慢すれば、あと何年我慢すればという我慢をしてしまいます。自分の命があと1週間ならどうしたいかを考えてみるといいのかもしれません。過労状態にある本人が『このままではいけない』と気づくことが大切なのです」(青柳さん)
「自分が我慢すれば…」と抱え込むのは要注意。過労は静かに、しかし確実に、あなたの体と心を蝕んでいきます。時に、我慢しない勇気も必要です。
(文・鈴木大介/考務店)