粉ミルク代すら底を突き、アカリは実家の母に泣きつく。痩せこけた娘の姿に涙した母は「これは搾取だ」と告げ、アカリに離婚を勧めて―――。
わが子の成長を喜ぶ余裕すらない日々
40万円を貸した後も、事態が好転することはありませんでした。 それはそうですよね。夫はギャンブルを辞めず、借金を返す気もないのですから。
初めての出産から約10か月。本来なら子どもの成長を家族で喜び合う、幸せで温かい毎日を送っているはずでした。でも私の記憶にあるのは、督促の電話に怯え、通帳の残高を見ては溜息をつく毎日だけ。
「アカリ、今日のご飯、これだけなの?」
修二が食卓に上がる献立の貧相さに、ブツブツと文句を言います。
「……粉ミルクを買ったら、もうお金がなかった。修二さんのお給料も返済に回さないといけない状況でしょ?」
修二は不満そうな顔をしながら、スマホで競艇のレース結果をチェックしています。私の苦労に目をやることはありませんし、自分の考えを改めるような気持ちもまるでないことがわかります。
そんな修二の姿を見て、私の中の何かがプツリと切れました。もうこの夫が変わってくれることなんて、期待してはいけないと悟ったのです。
耐えきれず実家に連絡
出産祝いとして親戚からもらったお祝い金も、ほとんどが修二の借金返済に消えました。 子どもにかわいい服を買ってあげることも、おもちゃを買ってあげることもできません。ついにミルク代の確保すらままならなくなり、私は恥を捨てて実家の母に電話をしました。
「……お母さん、ごめん。1万円だけ、貸してくれないかな…」
「アカリ?どうしたの…ちょっと待っていなさい、すぐに行くから」
母は何も聞かず、すぐに駆けつけてくれました。 痩せこけた私と、声をあげて泣く孫の姿を見て、母の目はみるみるうちに涙で溢れました。
「修二さんは? 修二さんは何をしてるの?」
「……ギャンブルで借金を作ったの。お義母さんにも相談したけど、私が貸し続けるしかないって言われて…」

