近年増えてきている猫の問題行動
愛猫の問題行動に悩む飼い主さんは、少なくないでしょう。「問題行動」とは、実は人の視点からできた言葉です。人にとっては問題となる行動でも、猫にしてみればごく当たり前の正常な行動であることが多いため、簡単にはやめさせられないからです。
猫の問題行動の要因には、不適切な飼育環境、完全室内飼育による刺激不足(退屈)、飼い主の間違った対応、病気があると考えられています。病気を除くと、これらの要因の背景には、飼い主さんが猫の習性や行動特性を正しく理解していないこともあるようです。
次章で、猫が起こす主な問題行動とその原因および改善策を、具体的に見てみましょう。
猫の主な問題行動とその原因および改善策
1.爪研ぎによる壁や家具の破損
猫は爪研ぎで、古くなった爪をはがし、新しい爪を出します。他にも、指の間の臭腺から分泌されるニオイの強い分泌物を擦り付け、自分のニオイをマーキングして縄張りを主張するという目的もあります。
どちらの目的も大切で、壁や家具が傷ついても、猫に爪とぎをやめさせることはできません。特に縄張りの境界となる玄関や窓、部屋の出入り口付近や、多頭飼育している猫のお気に入りエリアの周辺は、念入りに爪とぎでマーキングが行われます。
マーキングポイントとなる壁や家具には、爪とぎ防止用の保護フィルムなどを貼り、すぐ近くに猫が気にいるような素材と形状の爪とぎ器を設置しましょう。そして爪とぎ器で爪をとぐように誘導し、上手に使えたらおやつなどで褒めてください。
2.トイレ以外の場所での粗相
トイレ以外の場所で粗相をする原因で多いのは、「汚れたトイレを使いたくない」というものです。猫は綺麗好きなので、汚れたトイレや他の猫が使った後のトイレは使いたがりません。
最低でも猫の頭数+1個のトイレを用意し、こまめな掃除で綺麗な状態を維持しましょう。それでもトイレ以外での粗相が続く場合は、泌尿器系の病気が原因かもしれません。かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
3.夜間活動
夜中になると、家中を走り回ったり大きな声で鳴いたりすることがあります。元々猫は、獲物であるネズミなどの活動時間に合わせ、夕方や明け方などの薄暗い時間帯に狩りを行います。つまり、薄暗い明け方に活発になるのは、猫にとって当たり前のことなのです。
しかし、できるだけ昼間や飼い主さんの就寝前にたっぷりと遊ばせて体力を使わせることで、夜に疲れ果ててぐっすり眠るようになるでしょう。
4.過剰なグルーミング
猫は、起きている時間の大半をセルフグルーミングをして過ごします。セルフグルーミングには、体をきれいにするだけでなく、ストレスを発散させて気持ちを穏やかにさせるという効果もあります。
そのため、ストレスを感じると同じ部位を執拗にセルフグルーミングし、脱毛したり皮膚を赤く腫らしたり出血させたりしてしまうことがあります。
あまりにも執拗に同じ部位を舐め続けている場合は、長時間の留守番、部屋の模様替えや家族の変化など、猫にとってストレスとなるような原因がないかを探り、安心して落ち着ける環境に見直しましょう。
5.過剰な攻撃行動
猫は、鋭い爪や牙、高いジャンプ力や俊敏性など、ハンターとしての身体能力を持ち続けています。そんな名ハンターの能力を発揮して攻撃されたら、体の大きな人でも大ケガをしてしまいます。
猫が何らかの体験をきっかけに人や他の動物、環境要因などに不安や恐怖を感じるようになると、ちょっとした刺激にも激しく攻撃的になり、飼い主さんですら触れないほど凶暴化してしまうことがあります。
こうなると、もはや飼い主さんがご自身だけで愛猫の問題行動を改善することは難しくなります。動物病院で診てもらい、原因を究明して治療を行う必要があるでしょう。

