飼い主が知っておきたい猫の行動特性
猫の問題行動の多くは、猫の正常な行動であることがほとんどです。そのため、基本的には問題行動をただ「やめさせる」ことはできません。しかし、そのまま放置してしまっては、問題行動をエスカレートさせるだけです。
問題行動の改善は、基本的には下記の考え方をベースに対処しましょう。
①防止(問題となる行動を行えないようにする)
②対策(問題を起こす場所の近くに同じ行動または代替行動を行える環境を用意する)
③教育(新しい環境や代替行動を教える)
飼い主さんが猫の習性や行動特性を理解できれば、猫が安心して過ごせる環境を作り、適切な対処をとれるようになれるでしょう。そのためには、人と猫の五感の精度や使い方の違い、身体能力や猫に特有な行動特性などを学ばなければなりません。
問題行動の例としてご紹介した他にも、下記のような猫の行動特性を学ぶことで、猫の視点に立った環境づくりや接し方を工夫できるようになるでしょう。
獲物を分け合う習性がなく、同居猫と並んでの食事にストレスを感じることがある。 猫が他の猫や人とエリアを共有するためには、空間を立体的に利用できる必要がある。 退屈で刺激の少ない生活は大きなストレスとなるため、適度な刺激や運動は必要。 愛猫の気持ちを理解するためには、猫のボディランゲージを理解する必要がある。まとめ
完全室内飼育の普及は、猫の平均寿命を伸ばすことに大きく貢献しましたが、刺激の少ない生活は、猫に「問題行動」を引き起こさせやすくなったと考えられています。
そのような背景もあってか、文部科学省は2011年3月に、獣医学課程に「獣医動物行動学」を必修科目として含むようなコア・カリキュラムを作りました。併せて、日本獣医動物行動研究会の認定資格を持つ「獣医行動診療科認定医」も、年々増えてきています。
飼い主も積極的に学ぶことが必要ですが、専門家を頼ることも大切です。愛猫の問題行動に悩んだら一人で抱え込まず、動物病院に相談してみましょう。獣医行動診療科認定医のいる病院への紹介状を書いてくれることも含めて、きっと助けになるはずです。

