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医療の「知らなければ選べない」を変えるには  ―難病患者が語る情報アクセスの壁とヘルスリテラシー

医療の「知らなければ選べない」を変えるには ―難病患者が語る情報アクセスの壁とヘルスリテラシー

プル型とプッシュ型―情報が届く仕組みの両輪

大黒宏司さんは、医療情報へのアクセス方法として「プル型」と「プッシュ型」の二つのアプローチを提唱しました。プル型とは、患者自身が必要な時に必要な情報を探しに行ける仕組みを整えることです。患者がアクセスしやすいポータルサイトやアプリの整備、病院や自治体のホームページへのリンク集約、専門用語を避けた図解やリストを用いた解説などが具体例として挙げられました。

一方、プッシュ型とは情報を確実に届ける仕組みです。主治医や病院からの積極的な案内、患者会や患者レジストリ(登録システム)経由の通知などがこれにあたります。厚生労働省が運営するjRCT(臨床研究等提出・公開システム)や製薬企業のサイトに臨床試験情報が掲載されても、一般の患者に到達しないという現実があるため、確実に届ける方法も必要だという認識です。

ヘルスリテラシーが高い人はプル型で情報を得られるかもしれませんが、全員がそうできるわけではないでしょう。情報格差を埋めるためには、プル型とプッシュ型の両輪が必要であり、特に希少疾患や難病領域では患者数が限定されているため、公正に情報を届ける仕組みを制度的に整備することが急務だと強調しました。

治験参加を阻む心理的ハードル―当事者の声から

池崎さんは、自身の臨床試験参加の経験についても語りました。機会は3回あったものの、さまざまな要因で治験参加には至らなかったといいます。治験実施病院が遠いという物理的な問題に加え、妊娠希望や授乳中という状況、現在の治療をやめることへの不安、情報が散在しているため参加者が集まらないのではないかという懸念など、複合的な要因があったといいます。

特に妊娠中の治療に関する情報は皆無に等しく、どの薬の有益性が勝るのかの判断に困ったそうです。また、治験参加についての情報が当事者間でもあまり共有されていないという状況も報告。治験が生活と両立できる可能性もあることがわかれば、不安も減るのではないかとの指摘もありました。

大黒さんは、目の前に治験情報があったとしても、治験に対する抵抗感を持つ患者は多いと述べました。この点については、治験に対する意識や社会的関心の変化を導く必要があり、企業と患者会が協力し合い、市民に働きかけて治験を理解してもらう活動が重要だとしています。

配信元: Medical DOC

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