手術の進歩と低侵襲治療MICS
編集部
治療法にはどんな選択肢がありますか?
金森先生
薬物療法のほか、弁の修復(形成術)や人工弁への取り替え(置換術)があります。最近では、胸を大きく切らずにおこなう「低侵襲心臓手術(MICS)」が注目されています。体への負担が少なく、美容面にも配慮できる治療です。
編集部
MICS(ミックス)について詳しく教えてください。
金森先生
胸の真ん中を切らずに、胸の脇を数cm切開しておこなう内視鏡手術です。高精度な3D内視鏡や専用器具を用い、弁を修復または置換します。出血や感染リスクが少なく、骨を切らないため、術後の回復も早いのが特徴です。
編集部
MICSのメリットは何でしょうか?
金森先生
①身体への負担が少なく痛みが軽い
②入院期間が短く社会復帰が早い
③傷跡が目立たず美容的にも優れている
という3点ですね。実際に、当院でも多くの人が2週間以内で退院されています。
編集部
全ての患者にMICSが可能ですか?
金森先生
全てではありません。複数の弁の異常があった場合や冠動脈の手術を同時におこなう場合などは、従来の「正中切開」の方が安全なこともあります。手術をおこなう際は、患者の全身状態を見極め、最適な方法を提案します。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
金森先生
心臓弁膜症は、進行すると命に関わる危険がある病気です。自分の命を守るためにも、息切れや動悸といった小さなサインを見逃さず、異変を感じたらまずは受診することが大切です。「健康診断では『異常なし』と言われたのに」と話す人も少なくありませんが、多くの健診には心エコー検査が含まれていません。最近は、MICSなど体への負担を抑えた治療法も進歩しています。思い当たる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
編集部まとめ
心臓弁膜症は、初期症状が乏しいにもかかわらず、進行すると命に関わる病気です。定期的な心エコー検査と、息切れや動悸といったサインを見逃さないことが何より大切です。MICSなど、治療の選択肢も進化しているため、気になる症状があれば早めに専門医へ相談しましょう。

