「人工肛門(ストーマ)の寿命」についてよくある質問
ここまで人工肛門(ストーマ)の寿命について紹介しました。ここでは「人工肛門(ストーマ)の寿命」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
人工肛門を装着すると障害者何級になるのでしょうか?
齋藤 雄佑 医師
人工肛門(ストーマ)を造設された方は、身体障害者福祉法に基づき、身体障害者手帳の交付対象となる場合があります。等級は、ストーマの種類や状態によって異なります。永久的な消化管ストーマ(小腸ストーマ、大腸ストーマ)を造設し、かつストーマにおける排便処理に著しい困難を伴う状態などの場合は、一般的に4級に該当します。さらに、ストーマの他に、他の障害も重複している場合や原疾患による合併症が重い場合など、一定の条件を満たすと3級に該当することもあるため主治医に確認しましょう。一時的なストーマの場合は、原則として身体障害者手帳の交付対象とはなりませんが、治療期間が長期に及ぶ場合など、状況によっては医師や市区町村の窓口にご相談ください。
一時的な人工肛門が永久的な人工肛門になることはありますか?
齋藤 雄佑 医師
はい、残念ながら、一時的なストーマとして造設されたものが、結果的に永久的なストーマになる可能性はあります。その主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。ストーマ閉鎖を予定していたものの、がんの再発や転移、炎症性腸疾患の再燃などにより、腸管の吻合が困難になったり、肛門機能の温存が不可能になったりする場合。ストーマ閉鎖手術に向けて検査を行った結果、吻合部の治癒が思わしくない、あるいは狭窄が強く、閉鎖しても良好な排便機能が期待できないと判断される場合などです。ストーマ閉鎖手術のための全身麻酔に耐えられるだけの体力がないと判断された場合や、他の重篤な合併症により手術のリスクが高いと判断された場合なども考えられます。また、まれに、ストーマのある生活に慣れ、閉鎖手術のリスクや閉鎖後の排便トラブル(頻便や便失禁など)を考慮した結果、患者さんご自身が永久ストーマを選択される場合もあるでしょう。一時的ストーマが永久的ストーマに移行する可能性については、ストーマ造設の際に医師から説明があるかと思います。もし、そのような状況になった場合は、医師と十分に話し合い、今後の治療方針や生活について理解を深めることが大切です。
編集部まとめ ストーマを正しく理解し、充実した生活を送ろう
この記事では、人工肛門(ストーマ)の種類、寿命、交換頻度や費用、ケア方法、そして日常生活での注意点について解説してきました。ストーマは、病気の治療やQOLの維持・向上のために必要な医療処置です。ストーマそのものに「寿命」があるわけではなく、適切なケアと管理を行えば、生涯にわたり機能します。また、ストーマを造設したからといって、ご自身の寿命が直接的に短くなるわけではありません。ストーマに関する正しい知識を持ち、ご自身の状態に合ったケア方法を身につけることが大切です。そして、食事、入浴、運動、仕事、旅行など、様々な場面で少しの工夫をすることで、ストーマと共に充実した生活を送ることが可能です。不安や疑問、困ったことがあれば、一人で抱え込まず、医師や看護師(特に皮膚・排泄ケア認定看護師)、同じストーマを持つ患者会に相談してください。適切な情報とサポートを得ることで、より安心してストーマライフを送ることができるでしょう。この記事が、皆さんのストーマへの理解を深め、前向きな一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。

