脳トレ四択クイズ | Merkystyle
猫が『喉をゴロゴロさせる回数』には遺伝子が関係する?研究で示された意外な事実とは

猫が『喉をゴロゴロさせる回数』には遺伝子が関係する?研究で示された意外な事実とは

実験の概要〜猫のゴロゴロの頻度とAR遺伝子の関係

DNA

AR遺伝子には、アンドロゲンを受け取る感受性を決める遺伝子情報に、多型と呼ばれる個体差が存在します。代表的なのは「CAG」という塩基配列が繰り返される回数(長さ)の違いで、短いほど感受性が高くなる傾向があります。

対象となったのは、一般家庭で飼育されている、280匹(オス145匹、メス135匹)の雑種猫(内79%は元野良猫)で、口腔内粘膜から採取した細胞のゲノムDNAを抽出し、AR遺伝子のCAGリピートの多型を判定しました。また、国立生物工学情報センターのデータベースを利用し、他のネコ科動物のAR遺伝子の多型と比較しました。

質問票を通して飼い主から得た行動特性とその猫のAR遺伝子の多型とを分析し、遺伝子が行動特性に与える影響の関連性を調べました。その結果、下記のことがわかりました。

イエネコのAR遺伝子の多型の判定

CAGリピート数による多型は、15〜22回の8タイプが確認され、リピート回数18回以下を短型、19回以上を長型と分類しました。
なお他の研究により、長型のAR遺伝子は、雑種よりも純血種で優位に多く見られることがわかっています。

ネコ科動物間のAR遺伝子の多型比較

11種のネコ科動物で、AR遺伝子の多型が見つかりました。多型のリピート回数は12〜19回で、短型が多く、20〜22回の長型はイエネコでしか見つかっていません。

イエネコのAR遺伝子が与える甘え方や対人関係への影響

短型のAR遺伝子を持つ猫は、長型の猫よりも喉をゴロゴロ鳴らす頻度が高い 短型を持つオス猫は、相手に向かって鳴くことでコミュニケーションを図る頻度が高い 短型を持つメス猫は、見知らぬ人に対する攻撃行動を見せる頻度が高い

この研究結果が示唆する意外な事実!?

撫でられて喉を鳴らす猫

本来、猫のゴロゴロは、子猫が生きるために不可欠な母猫とのコミュニケーション手段でした。しかし、長型のAR遺伝子を持つ猫は、あまり喉をゴロゴロ鳴らさない猫になることがわかりました。

今回の研究では、特に長い長型のAR遺伝子は、イエネコしか持っていないことがわかりました。さらに先行研究では、雑種よりも純血種の方が長型のAR遺伝子を持つ猫が多いことがわかっています。このことから、人との関わりが深い猫ほどゴロゴロ鳴かなくなることがわかります。

論文の中では『生まれた直後から人に世話をしてもらえる猫は、喉を鳴らさなくても生存が脅かされないため、ゴロゴロと喉を鳴らす必要がなくなったため』と考察し、AR遺伝子の変化には猫と人との関係性が反映されている可能性があるとしています。

現在の日本で飼育されている純血種の猫はまだ2割に過ぎず、多くは保護された元野良猫の雑種です。しかし地域猫のTNR活動が進み、街中から野良猫の姿がなくなるであろうそう遠くない将来には、生まれつき人を信用している、飼い主さんに撫でられてもゴロゴロと喉を鳴らさない甘え方の猫が増えていくのかもしれません。

提供元