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「胃潰瘍で亡くなる確率」はどれくらい?亡くなる前の症状も解説!【医師監修】

「胃潰瘍で亡くなる確率」はどれくらい?亡くなる前の症状も解説!【医師監修】

胃潰瘍は、胃の粘膜が深く傷つくことで起こる病気です。現在は治療法が確立されており、適切に対応すれば回復が見込める病気とされています。しかし一方で、胃潰瘍が原因で命を落とす場合があるのか、不安を感じる方も少なくありません。特に、高齢の方や持病がある方は、重症化した場合の影響が大きくなることがあります。

この記事では、胃潰瘍で亡くなる確率や背景、亡くなる理由として考えられる合併症、そして進行を防ぐための治療や生活の考え方を解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

胃潰瘍で亡くなる確率

胃潰瘍で亡くなる確率

胃潰瘍で亡くなる人の割合を教えてください

胃潰瘍は、現在の医療において適切な治療が行われれば、命に直結することは少ない病気です。胃潰瘍と十二指腸潰瘍を合わせた消化性潰瘍で入院した患者さん全体の死亡率は、約3%と報告されています。一方で、胃潰瘍に出血を合併した場合には、死亡率が約6%まで上がるとされています。

参照:
『Trends and outcomes of hospitalizations for peptic ulcer disease in the United States, 1993 to 2006』(Annals of Surgery)
『Causes of mortality in patients with peptic ulcer bleeding: a prospective cohort study of 10,428 cases』(The American Journal of Gastroenterology)

胃潰瘍で亡くなる可能性が高い年代を教えてください

胃潰瘍による死亡率は、年齢によって差がみられます。若い世代は、胃潰瘍を発症しても治療により状態が安定しやすく、死亡に至るケースはまれです。一方で、高齢の方は、同じ胃潰瘍であっても死亡率が高くなる傾向があります。特に、胃の壁に穴があく穿孔を起こした重症の胃潰瘍は、80歳以上の方で死亡率が約45%に達したとする報告があり全身状態の変化に耐える力の低下や併存疾患の影響が関係しています。

参照:『Short-term mortality after perforated or bleeding peptic ulcer among elderly patients: a population-based cohort study』(BMC Geriatrics)

胃潰瘍の死亡率は下がりましたか?

胃潰瘍の死亡率は、過去数十年で低下しています。現在は治療法が確立され、重い合併症に進む前に対応できるようになったことで、胃潰瘍が命に関わる経過をたどるケースは少なくなっています。また、日本の人口動態統計でも、胃潰瘍を原因とする死亡は、人口10万人あたりで1950年には20人を超えていましたが、2021年には2人前後まで減少しています。社会全体としても、胃潰瘍による死亡が減ってきている状況がうかがえます。

参照:
『Trends and outcomes of hospitalizations for peptic ulcer disease in the United States, 1993 to 2006』(Annals of Surgery)
『人口統計資料集(2023)改訂版表5-21 主要死因別死亡数,率および割合:1950~2021年』(国立社会保障・人口問題研究所)

なぜ昔は胃潰瘍で亡くなる方が多かったのですか?

数十年前は、胃潰瘍を早い段階で発見し、進行を抑える手段が限られていました。胃の痛みや不調があっても検査を受ける機会が少なく、潰瘍が深く進行した状態でみつかることがありました。その結果、出血や胃の壁に穴があく穿孔を起こしてから医療につながるケースもみられました。また、当時は内視鏡による止血処置や集中的な全身管理が一般的ではなく、合併症を起こした際の対応が難しい状況でした。現在は診断や治療の環境が整っていますが、進行した胃潰瘍が命に関わる可能性をもつ病気である点は今も変わりません。

胃潰瘍で亡くなる理由と亡くなる前の症状

胃潰瘍で亡くなる理由と亡くなる前の症状

なぜ胃潰瘍で命を落とすことがあるのですか?

胃潰瘍で命に関わる経過をたどる理由は、潰瘍が胃の粘膜だけにとどまらず、全身に影響を及ぼす状態へ進行するためです。潰瘍が深くなると胃の血管が傷つき、大量の出血を起こすことがあります。出血が続くと、全身に十分な血液が行き渡らなくなり、意識障害や臓器の働きの低下につながります。

さらに潰瘍が進行すると、胃の壁に穴があく穿孔を起こすことがあります。穿孔が生じると、胃の内容物が腹腔内へ漏れ、強い炎症や感染を引き起こします。このような状態では身体への負担が急激に増し、特に体力が低下している方や複数の病気を抱えている方は、全身状態が保てず命に関わる経過をたどる場合があります。

胃潰瘍で亡くなる前はどのような症状が出ますか?

胃潰瘍が重症化する過程で、いくつかの特徴的な症状が現れます。出血が関係する場合には、吐血や黒色便がみられることがあります。黒色便は、胃や十二指腸から出た血液が消化されることで黒く変化した便です。出血が進むと、顔色が悪くなる、冷や汗が出る、動悸がするなど、全身の不調として自覚されることもあります。

穿孔が生じた場合には、強い腹痛が現れることが多く、安静にしていても痛みが続く点が特徴です。腹部を動かすことが難しくなり、吐き気や発熱を伴うこともあります。これらの症状は短時間で悪化することがあり、様子をみているあいだに状態が大きく変わる場合があります。

胃潰瘍で緊急受診をした方がよい症状や状態を教えてください

胃潰瘍が疑われる状況で、吐血や黒色便がみられる場合には、早めに医療機関を受診することがすすめられます。また、強い腹痛が出てきた場合や、立ち上がることが難しいほどのふらつき、意識がぼんやりする状態がみられる場合には、緊急での受診を考える必要があります。これらの症状は、出血や胃の壁に穴があく穿孔といった合併症が起きている可能性を示します。

特に、高齢の方や持病がある方は、症状が一時的に落ち着いたようにみえても、その後に状態が大きく変化することがあります。胃の違和感や痛みを軽く考えず、異変を感じた段階で医療機関へ相談するようにしましょう。

配信元: Medical DOC

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