胃潰瘍を進行させないための治療法と生活のポイント

胃潰瘍は治療すれば亡くなることはありませんか?
胃潰瘍は、原因や状態に応じた治療を行うことで、出血や穿孔といった重い合併症を防げる病気です。実際に、治療法の進歩により、昔と比べて胃潰瘍による死亡は少なくなっています。早い段階で治療を始められれば、命に関わる経過をたどる可能性は低くなります。
一方で、潰瘍が深く進行している場合や、治療が遅れた場合には、現在でも重症化することがあります。特に、高齢の方や持病を抱えている方は、同じ程度の胃潰瘍であっても全身への影響が大きくなり、命に関わる経過をたどる場合があります。
進行した胃潰瘍の治療法を教えてください
胃潰瘍が進行し、出血を伴っている場合には、内視鏡を用いた止血処置が行われます。内視鏡治療により、出血している部位を直接確認し、処置を行います。必要に応じて、点滴による治療や輸血が行われることもあります。
一方、胃の壁に穴があく穿孔を起こした場合には、外科的な治療が選択されることがあります。この場合は、潰瘍への対応に加えて、感染を抑えるための抗菌薬の投与や、点滴による水分管理、呼吸や循環の状態を保つための管理が同時に進められます。
胃潰瘍で亡くならないためにどのようなことに気を付けるとよいですか?
胃潰瘍で命に関わる経過を防ぐためには、症状の変化を見逃さないことが大切です。胃の痛みや不快感が続く場合、食欲の低下がみられる場合、黒色便などの変化がある場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。
また、処方された薬は指示どおりに使用し、症状が和らいだからといって自己判断で中断しないことも重要です。治療を続けながら経過を確認することで、再発や悪化を防ぎやすくなります。さらに、解熱鎮痛薬など胃に負担をかけやすい薬を使用している場合には、医師へ相談したうえで調整することも一つの方法です。こうした日々の向き合い方が、胃潰瘍が命に関わる状態へ進むことを防ぐことにつながります。
編集部まとめ

胃潰瘍は、現在の医療では適切な治療によって回復が見込める病気です。過去数十年で胃潰瘍による死亡は大きく減っています。胃酸分泌を抑える薬やピロリ菌除菌治療、内視鏡診断と治療の進歩により、重症化する前に対応できるケースが増えてきました。
一方で、出血や胃の壁に穴があく穿孔を起こした場合には、現在でも命に関わることがあります。特に、高齢の方や持病がある方は影響が大きくなりやすいため、胃の痛みや便の色の変化など気になる症状が続く場合には、早めに医療機関へ相談することが大切です。
参考文献
『Trends and outcomes of hospitalizations for peptic ulcer disease in the United States, 1993 to 2006』(Annals of Surgery)
『Causes of mortality in patients with peptic ulcer bleeding: a prospective cohort study of 10,428 cases』(The American Journal of Gastroenterology)
『Short-term mortality after perforated or bleeding peptic ulcer among elderly patients: a population-based cohort study』(BMC Geriatrics)
『人口統計資料集(2023)改訂版表5-21 主要死因別死亡数,率および割合:1950~2021年』(国立社会保障・人口問題研究所)

