息子同士のトラブルに加え、隣人の母親・真緒ともぎくしゃくした奈々子。挨拶無視やプライバシーの侵害を受けてストレスを抱えます。夫に相談するうちに、涙が溢れました。
「引っ越し」の選択肢を提示した夫
悩みを話すうちに泣いてしまった私に、夫はこう告げた。
夫「引っ越そうか」
奈々子「え?」
夫「この家が安らげないなら、手放してもいいよ。そもそも家族のための家なんだからさ」
あっさりと引っ越しを提案した彼を、逆に私が止めようとしてしまう。
奈々子「でも、もう購入した家だよ?」
夫「売れば多少は返ってくるはず。ここは住宅街だし新築なら高く売れるかもしれないよ」
それに、と彼は付け加えた。
夫「健康はお金じゃ買えないし、ここにいて病んじゃったら元も子もないだろ?」
今度はうれし涙が頬を伝う。もっと早く、夫に相談すればよかった。こんなにも彼は、私を思ってくれていたのだ。
家族とともに選んだ未来
さらに彼と詳細の話を続けた。輪くんとのトラブルがあるなら、思いきって転校を含めた引っ越しを検討してもいいのでは…となる。
後日、圭介に聞いてみた。圭介には「お父さんの仕事の都合上、引っ越すことになった。学校は今のところでも転校でもいいけど、どっちがいい?」と話す。すると、彼は予想と違う回答をした。
圭介「うーん、僕は転校したいかも」
奈々子「学校、変わってもいいの?」
圭介「うん」
てっきり転校したくないと思っていたのに。理由を聞くと、驚く事実を圭介は言った。
圭介「今のクラス、うるさくて困ってる」
何と輪くんの影響で、学級崩壊が始まっているようだ。確かに授業参観では、かなりの人数が立ち歩いていた。参観した授業が工作や体育、発表会だったので「低学年はこんなものなのかな」と思っていたが、もしかしたら気づきにくくさせる学校側の意図も、少なからずあったのかもしれない…。
圭介の言葉で私の決意は固まる。引っ越そう。そう考えた瞬間、灰色に見える家の室内に、光が差し込んだ気がした。

