外耳炎は“どの犬にも起こりうる病気”だという事実

外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの通り道に炎症が起きる病気です。かゆみ、赤み、におい、黒い耳だれなど、飼い主が日常的に気づきやすいトラブルとしてよく知られています。しかし「垂れ耳の犬に多い」と思われがちな一方で、今回の321頭を調べた研究では、耳の形だけでは外耳炎のリスクを説明できないことが明らかになりました。
研究に参加した犬たちは、健康診断や治療のために動物病院を訪れた犬で、犬種も年齢もさまざまでした。その中で外耳炎を持っていた犬は多く、犬種や性別、体重、生活習慣など、さまざまな項目が調べられました。結果として、「特定の耳の形」「特定の犬種」だけが原因で外耳炎が起きているわけではないことが示されました。
外耳炎は、耳の通気性だけでなく、皮膚の状態、体質、アレルギーの有無、毛の量、耳の中の湿度、普段の耳の触り方など、多くの要因が重なって起きる病気です。つまり、耳が立っている犬でも、垂れている犬でも、どの犬でも外耳炎になる可能性があり、普段から耳をよく観察しておくことが大切です。
では、一体どのような犬が外耳炎になりやすいのでしょうか。耳が垂れているかどうかだけでなく、「体の作り」「皮膚のタイプ」「犬種に関連する特徴」まで含めて、多角的に考える必要があります。
調査で明らかになった「外耳炎になりやすい犬の特徴」

321頭の調査では、外耳炎に関わるさまざまなリスクが明らかになりました。まず分かったのは、体重の重さが外耳炎と関係しているという結果です。特に、体が大きい犬ほど外耳炎を持っている割合が高く、体重が多いほど耳の環境が湿りやすくなったり、皮膚のトラブルを抱えやすくなる可能性があると考えられています。
犬種についても詳しく調べられました。一般的に「外耳炎が多い」と思われている犬種は確かに存在します。たとえば、コッカー・スパニエルやプードルの一部は耳道に毛が多く、通気性が悪くなりやすいとされています。しかし、今回の調査では「耳の毛の量」よりも、「皮膚の弱さ」や「アレルギーを持っているかどうか」の方が外耳炎の発症とより強く関わっていることが示されました。
つまり、耳の中の毛を抜くかどうかよりも、皮膚の体質やアレルギーの有無の方が大きな要因になっているということです。
さらに興味深いことに、耳が立っている犬でも垂れている犬でも、外耳炎の発症率に大きな差は見られませんでした。垂れ耳の犬は確かに耳の通気性が悪くなりやすいのですが、“耳の形そのもの”よりも、体全体の皮膚の強さやアレルギーの有無が影響していたのです。

