「眼底検査」の主な結果と再検査が必要な所見・分類例
ここまでは診断されたときの原因と対処法を紹介しました。再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
「眼底検査」の結果と所見・分類例
正常な眼底では、網膜に出血やむくみがなく、視神経乳頭の形や色も問題ありません。血管の太さや走行にも異常がみられず、黄斑部(ものを見る中心部分)もはっきり確認できます。このような場合は、特に治療や追加検査は不要で、定期的な検査で経過観察を行います。
一方で、眼底検査で注意が必要なのは、網膜出血、黄斑部の変化、視神経の陥凹拡大、血管の狭細化や蛇行などが認められた場合です。例えば、出血や白い斑点が見られる場合は糖尿病網膜症や高血圧性変化が疑われますし、視神経の異常は緑内障の可能性を示します。黄斑部に異常がある場合は、加齢黄斑変性など、視力に直結する病気が隠れていることもあります。これらの所見がある場合は、放置せず詳しい検査が必要になります。
「眼底検査」で異常が見つかった場合の所見・分類や精密検査が必要な内容
眼底検査で異常を指摘された場合は、その内容に応じて再検査や精密検査が行われます。眼底検査は異常を見つけるための検査であり、原因や重症度を詳しく調べるために追加の検査が必要になることがあります。精密検査では、OCT(光干渉断層計)で網膜や視神経の状態を詳しく調べたり、視野検査で見える範囲を確認したりします。検査費用は内容によって異なりますが、保険診療であれば数千円程度が一般的で、複数の検査を行うと1万円前後になることもあります。再検査や精密検査は、多くの場合、最初に受診した眼科で受けられますが、専門的な治療が必要な場合は病院を紹介されることもあります。受診の緊急度は所見によって異なり、急な視力低下や出血が疑われる場合は早急な受診が必要です。一方、軽度の変化であれば、数週間から数か月以内の再検査となることもあります。再検査の結果、経過観察のみで済む場合もあれば、点眼治療やレーザー治療、注射、手術などが必要になることもあります。異常を指摘された際は、受診のタイミングや治療の必要性について医師の説明をよく確認することが大切です。
「眼底検査」で見つかる病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「眼底検査」で見つかる病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
網膜剥離
網膜剥離は、目の奥にある網膜が本来の位置からはがれてしまう病気です。網膜は光を感じ取り、映像を脳へ伝える重要な役割を担っているため、剥離が進行すると視力が大きく低下します。強い近視がある方や加齢、目の外傷、網膜に小さな穴が開いていることなどが主な原因です。初期の段階であればレーザー治療で進行を防げる場合もありますが、剥離が進んでいる場合は手術が必要になります。急に飛蚊症が増えた、稲妻のような光が見える、視野の一部が欠けたと感じた場合は、できるだけ早く眼科を受診することが重要です。
緑内障
緑内障は、視神経が徐々に障害され、視野が少しずつ狭くなっていく病気です。眼圧の上昇が主な原因とされていますが、眼圧が正常でも発症するタイプもあります。初期にはほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに進行するのが特徴です。治療は眼圧を下げる点眼薬が基本で、進行度によってはレーザー治療や手術が行われることもあります。一度失われた視野は元に戻らないため、健康診断や眼底検査で指摘された場合は早めに眼科を受診しましょう。
白内障
白内障は、水晶体が濁ることで視界がかすんだり、まぶしさを強く感じたりする病気です。最も多い原因は加齢ですが、糖尿病、外傷、薬の影響などによって起こることもあります。進行はゆっくりなことが多く、初期は日常生活に大きな支障が出ない場合もあります。見えにくさが進み、生活に不便を感じるようになった段階で手術が検討され、濁った水晶体を人工レンズに入れ替える治療が行われます。見え方の変化やまぶしさが気になり始めたら、眼科で相談しましょう。
ぶどう膜炎
ぶどう膜炎は、虹彩や毛様体、脈絡膜といったぶどう膜に炎症が起こる病気です。自己免疫疾患や感染症が原因となることもありますが、原因が特定できない場合も少なくありません。目の充血や痛み、かすみ、まぶしさなどの症状が比較的急に現れるのが特徴です。治療は炎症を抑える点眼薬や内服薬が中心で、原因に応じて抗菌薬や免疫を調整する治療が行われることもあります。症状を放置すると視力低下につながることがあるため、異変を感じたら早めの受診が必要です。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、糖尿病による血管障害が網膜に起こる病気です。血糖値が高い状態が続くことで網膜の血管が傷み、出血やむくみが生じます。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると視力低下や失明の原因になることがあります。治療の基本は血糖コントロールで、進行度に応じてレーザー治療や注射治療、手術が行われます。糖尿病と診断された方は症状がなくても定期的に眼底検査を受け、見えにくさを感じた場合は早めに眼科を受診しましょう。

