志めじ時雨が、名刺がわり

志めじの歯ごたえと、昆布のうまみ。「志めじ時雨」は、ごはんにも酒にも合う、店の看板商品。甘辛すぎず、出汁の芯がちゃんと残る。
食べ終えたあと、ふっと静かになるような余韻がある。佃煮だけど、どこか詩的で、少し強くて、優しい味。
贈りものは、顔が浮かぶ味

年末が近づくと、店内には贈答の注文がずらりと並ぶ。「この人は志めじ多めに」「椎茸昆布も忘れんといて」「ちりめんじゃこは、あの家の子が好きやねん」
送り主も受け取り手も、店主の記憶にちゃんと刻まれている。“お歳暮”という言葉が、まだ暮らしの中で生きている。その空気ごと、包んでくれるのが、この店の強さかもしれない。
