動悸(どうき)や息切れを「疲れのせい」と見過ごしていませんか? 不整脈を放置すると脳梗塞など重大な合併症を招くことも。早期発見のサインと日常でできる予防のポイントについて、百瀬医院の百瀬先生がわかりやすく解説します。
※2025年11月取材。

監修医師:
百瀬 満(百瀬医院)
1990年山梨医科大学(現・山梨大学医学部)卒。東京女子医科大学 循環器内科、東京都立府中病院(現・東京都立多摩総合医療センター)循環器科、東京女子医科大学 放射線科、ミュンヘン工科大学核医学科研究員、東京女子医科大学 画像診断・核医学科准教授を経て2017年10月より百瀬医院副院長に就任。2019年8月より同院院長を務めている。日本循環器学会専門医、日本内科学会認定内科医、日本核医学会専門医・PET核医学認定医、博士(医学)。
不整脈のサインとは?
編集部
不整脈とはどんな病気ですか?
百瀬先生
不整脈とは、脈が速くなったり、遅くなったり、あるいは不規則になったりして、心臓が拍動するリズムが乱れる状態のことをいいます。不整脈にはさまざまな種類があり、中には一時的で問題のないものもあります。その一方、脳梗塞や心不全の原因になる不整脈もあり、注意が必要なことも少なくありません。
編集部
どんな症状が出たら注意すべきですか?
百瀬先生
動悸、胸の違和感、息切れ、めまい、ふらつき、失神などが主なサインです。中にはまったく症状が出ない無症候性の不整脈もあり、健診や心電図で偶然見つかることもあります。
編集部
脈が飛ぶような感じがある場合は危険ですか?
百瀬先生
脈が飛ぶような感じがする不整脈のことを「期外収縮」といいます。数ある不整脈の中でも期外収縮はとても多く見られ、健康診断などで指摘されるケースも少なくありません。一時的な期外収縮の場合は多くが良性です。しかし、頻繁に起こる場合やほかの症状を伴う場合は、心電図検査で原因を確認することが大切です。
不整脈は、なぜ早期発見が必要なのか?
編集部
不整脈を放置するとどうなりますか?
百瀬先生
不整脈の種類によりますが、中には突然死に至るものも存在します。また、日本では高齢化に伴い、「心房細動」という不整脈の患者数が増加しており、これを発症すると心臓の中で血の塊(血栓)ができやすくなるため、血栓が脳に飛んで脳梗塞を引き起こす危険が高まります。さらに、心拍が不安定になると心臓の機能が低下し、心不全の原因になることもあります。命の危険につながるケースもあるため、不整脈と診断されたらしっかり検査を受けることが必要です。
編集部
早期発見することでどんなメリットがありますか?
百瀬先生
早期に見つければ、薬による脈のコントロールや血栓予防の治療が可能です。症状が軽い段階で治療を始めることで、重症化や合併症を防ぐことができます。
編集部
治療が軽く済むのですね。
百瀬先生
そうですね。また、不整脈の種類によっては失神やめまいで倒れることもあり、大変危険です。その場合、ペースメーカーを心臓に埋め込むと症状が軽減され、毎日を元気に過ごせるようになります。
編集部
不整脈はどんな検査でわかりますか?
百瀬先生
心電図検査が基本です。ただし、通常の心電図検査は記録時間がとても短く、その時間にたまたま不整脈の発作が起きなければ病態を見極めることができません。通常の検査で見つからない場合は、特殊な検査機器を装着して24時間心電図を記録する「ホルター心電図検査」などをおこなうこともあります。それでも見つからない場合には、5日など長期間連続して測定することもできます。
編集部
健診で不整脈を指摘された場合、すぐに受診すべきですか?
百瀬先生
はい。放置しても自然に治ることは少なく、特に高血圧や糖尿病がある人はリスクが高まります。循環器内科を早めに受診し、詳しい検査を受けましょう。

