新しい命と家族の再出発
数時間後、私は無事に出産。元気な男の子が産まれました。私と夫は胸を撫で下ろすとともに、息子への愛情が込み上げました。しばらくして面会が可能になると、義母と駆けつけた父、義姉家族に祝福してもらいましたが、まだそこには母と義父の姿はありません。
「あの2人、大丈夫かなぁ……」
話を聞いた私の父が心配の声を上げた頃、ドアをノックする音が聞こえました。入ってきたのは、しょんぼりとした様子の母と義父でした。2人は入室早々、私たちに向かい、深々と頭を下げて反省の弁を述べ始めました。
母「さっきは取り乱してごめんなさい。仲直りしたから、孫の顔を見せてください」
義父「……申し訳なかった。今後、態度を改めるので、孫の顔を見せてほしい……」
2人の様変わりした様子に、夫とともに「やれやれ」と顔を見合わせた後「この子だよ」と息子を見せました。息子を見る目は温かく、デレついて表情もとろけていました。あまりに2人が似た表情をすることに一同微笑みつつ、私は息子を中心に、家族がまた新たな形になれたような気がしました。
家族を思う気持ちがありつつも、空回りしてしまった2人。両家の親には考え方の違いがあるのは当然ですが、今回のようにお互いが歩み寄る機会があったのは良いことだと思いました。今後はお互いに初孫のおじいちゃん・おばあちゃんとして、できるだけにこやかに過ごしてくれるとうれしいです。かわいいわが子が、両家の懸け橋になってくれるのではないかと期待しています。
あとがき:孫の誕生がもたらした和解
母と義父の長きにわたる対立は、彩花の出産をきっかけに一つの節目を迎えました。粗野で不器用ながら孫を楽しみにする義父の姿と、娘を守ろうとする母の思い。そのぶつかり合いは彩花を苦しめもしましたが、声を上げたことでようやく両者に変化が訪れました。赤ん坊を抱く時、人は驚くほど柔らかい表情を見せます。母も義父も、その瞬間だけはまるで同じ顔でした。息子の誕生が、これからの家族の形を少しずつ築き直すきっかけになると信じています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

