︎診断
パンドラ症候群の診断は非常に難しく、実際に動物病院で初めからパンドラ症候群と診断されることはほとんどないのが現状です。
その理由として、パンドラ症候群と診断するためには他の病気を全て否定しなければならない事があります。そしてその後に、猫の生活歴を詳しく聞いていき、家庭での生活環境を評価し改善策を考えます。
生活改善を行った結果、これらの症状が落ち着けばパンドラ症候群であったと、後から診断されます。
︎対処法
パンドラ症候群では、薬が用いられる場合もありますが、基本は生活改善による対処が最も有効です。
どの点を改善するかはその猫のストレス源が何かにもよるので一概には言えないですが、この記事では猫の慢性的なストレスの原因として多いと感じる2つのパターンの対処法をご紹介します。
多頭飼いでのストレスを無くす
多頭飼いでは、飼い主さんが気づきにくいストレスが生じやすくなります。
一見仲が良さそうに見えても、猫同士の距離感や力関係の中で、静かな緊張が続いていることは少なくありません。
そのストレスを予防するために大切なのが、「猫の頭数+1」の環境づくりです。
具体的には、トイレの数・ベッドや休息場所の数・爪とぎの数・食事場所や水飲み場、これらを「猫の頭数+1」用意することが理想的とされています。これは、資源を取り合わなくていい環境をつくるためです。
また、多頭飼育では、物の数だけでなく「配置」も重要です。
トイレへ向かう動線・水飲み場への動線•食事場所への通り道、これらの途中で、苦手な猫と鉢合わせする構造になっていないかを確認しましょう。
もし動線上に緊張関係のある猫がいる場合、弱い立場の猫はトイレを限界まで我慢し、水を十分に飲まなくなり、活動範囲を狭めます。その結果、膀胱炎などの下部尿路疾患を引き起こす大きな要因となることがあります。
トイレの見直し
猫にとってトイレの場所は最も重要です。
猫にとって排泄時は最も無防備で、すぐに逃げられない状況です。そのため、猫は絶対に安全と思う場所でしか排泄をしません。
洗濯機の近く、乾燥機の近く、風で閉まりやすい扉の近く、キッチンの近く、人通りが多い場所、道路に面した場所などは、刺激が多く猫が安心できないので、トイレを置くのは避けましょう。
猫が最も長く過ごす場所を「コアエリア」と言い、猫はここで1日の75%の時間を過ごします。
私たちもトイレが遠くて行きにくい場所にあると、行くのが億劫になりますよね。猫も同じで、トイレが遠い場所にあると排泄を我慢して膀胱炎になる恐れがあります。
トイレはなるべく「コアエリア」内に設置し、トイレに行くまでの経路に障害物がないかも確認しましょう。
そしてトイレの大きさは猫の体が頭から尻尾の先まで十分に収まる大きさにしてあげましょう。

