●NHK党の法的な位置づけは?「政党」と「政治団体」の違い
法律の話に戻りますが、法的には、「政党」と「政治団体」とは異なるものとして扱われます。
両者の区別は、政党助成法と政治資金規正法で微妙に異なるのですが、たとえば政治資金規正法上は以下のように区別されます。
政治活動を行う団体は「政治団体」と呼ばれます(政治資金規正法3条1項)。そのうち、 1)「国会議員が5人以上いる」か、2)「直近の国政選挙で有効投票数の2%以上を獲得した」ものだけが、政治資金規正法上の「政党」と定義されます(同条2項)。
NHK党は齊藤氏の離党により現在は国会議員ゼロ。得票率も2%には届いていないようですので、現在は政治資金規正法上の「政党」の要件を満たさず、「政治団体」といえます。
「政党」でなくなると、企業や労働組合などの団体からの政治献金を受け取ることができなくなります(同法21条1項)。なお、個人からの献金は同一団体に年150万円が上限です(同法22条2項)。
次に、政党助成法に規定されている「政党交付金」(税金による助成金)も受け取れなくなります。
政党交付金を受けられる「政党」とは、1)「所属国会議員が5人以上」か、2)「所属国会議員が1人以上かつ直近の国政選挙で得票率2%以上」のいずれかを満たすものです。NHK党は現在この要件も満たしていません。
●「休眠」しても法律上の義務は続く
「休眠」を宣言しても、政治資金規正法上の義務がなくなるわけではありません。
たとえば、政治団体には、毎年12月31日現在の収支状況をまとめた報告書を翌年3月末までに提出する義務があります(同法12条1項)。「活動実績がゼロだから不要」とはなりません。
収入も支出もなかった年でも「ゼロです」という報告書を提出しなければなりません。
そして、同法17条2項は、2年連続で収支報告書を期限までに提出しなかった政治団体は、届出をしていないものとみなすと定めています。
届出なしとみなされると、政治活動のために寄附を受けることも支出をすることも禁止されます(同法8条)。
これに違反して寄附を受けたりすると、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という刑事罰の対象にもなります(同法23条)。
「休眠中だから後回しでいい」と放置していると、2年後に取り返しのつかない法的効果が自動的に発生します。

