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「赤ちゃんの絶壁や向き癖、放置しても大丈夫?」放置のリスクと早期ケアの重要性を医師が解説

「赤ちゃんの絶壁や向き癖、放置しても大丈夫?」放置のリスクと早期ケアの重要性を医師が解説

赤ちゃんの頭のゆがみは、多くの保護者が気になる症状の一つです。生後数カ月の赤ちゃんは頭蓋骨が柔らかく、向き癖や寝かせ方の影響を受けやすいため、後頭部の扁平や左右差が生じることがあります。多くは自然に改善しますが、中には専門的な治療が必要なケースもあります。そこで今回は、頭のゆがみの原因や種類、受診の目安、クリニックでの治療法から家庭でできる予防ケアまで、お茶の水頭痛めまいクリニック院長の片桐彰久先生に詳しく解説していただきました。

※2025年12月取材。

片桐 彰久

監修医師:
片桐 彰久(お茶の水頭痛めまいクリニック)

日本大学医学部卒業後、日本大学医学部附属板橋病院脳神経外科入局。同大学院にて脳血流に関する研究をおこない、医学博士を取得。埼玉県立小児医療センター脳神経外科、相模原協同病院、東京曳舟病院、板橋中央総合病院脳神経外科にて臨床に従事。板橋中央総合病院で小児頭蓋変形外来を開設した後、2023年「お茶の水頭痛・めまいクリニック」を開院、院長となる。日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本頭痛学会専門医・指導医などの資格を有する。著書に「医師が教える 赤ちゃんのまぁるい頭の育て方」がある。

赤ちゃんの頭のゆがみとは?

赤ちゃんの頭のゆがみとは?

編集部

赤ちゃんの頭のゆがみとは、医学的にはどのような状態を指すのでしょうか?

片桐先生

赤ちゃんの頭のゆがみとは、頭蓋骨の成長が左右や前後で均等に進まず、特定の部位に偏りが生じている状態を指します。乳児の頭蓋骨は柔らかく、骨のつなぎ目(縫合)も開いた状態であるため、寝かせ方や向き癖など外からの圧力の影響を受けやすいことが特徴です。代表的なタイプには、後頭部が平らに見える絶壁と呼ばれる短頭症、後頭部の左右差が目立つ斜頭、早産などでNICU(新生児集中治療室)に数週間入院した赤ちゃんにみられやすい長頭症があります。重症度によっては治療が必要となるケースもあるため、適切な時期に評価することが重要です。

編集部

頭のゆがみは、どの月齢で起こりやすく、どのような形が多いのでしょうか?

片桐先生

頭のゆがみは、軽症を含めると生後1カ月時点で約6割に認められるとされています。特に生後4カ月頃は形成されやすい時期で、頭蓋骨が非常に柔らかく、首の筋力も十分に発達していないため、向き癖の影響を強く受けやすい状態です。よくみられるのは、後頭部の扁平が目立つ絶壁や、左右差が大きくなる斜頭です。月齢が早いほど改善しやすいため、早期に気づき必要に応じてケアを始めることが大切です。

編集部

頭のゆがみがあると、成長や生活面にどのような影響が出るのか教えてください。

片桐先生

軽度のゆがみであれば、日常生活に大きな支障が出ることは多くありません。しかし、偏りが強くなると、頭の向きが固定されて向き癖が助長され、自然な改善が難しくなることもあります。また、額や頬、顎の位置に左右差が生じるケースもあり、成長後に顔貌や頭蓋のバランスが気になる方もいます。ゆがみが強い場合に考えられるリスクとしては、目の位置のずれや視力の左右差、噛み合わせの乱れ、骨格のゆがみ、これらに起因する頭痛などが挙げられます。さらに斜頸を伴う場合には、寝返りや首すわりなどの運動発達に影響する可能性もあるため、早めの評価が重要です。

原因と受診すべきタイミングを知る

原因と受診すべきタイミングを知る

編集部

赤ちゃんの頭のゆがみは、どのような原因で起こるのでしょうか?

片桐先生

最も多い原因は、赤ちゃんが同じ方向を向いて寝ることで生じる向き癖です。授乳の向きや寝かせる位置、抱っこの仕方など、日常の環境が影響することがあります。また、妊娠中の子宮内での姿勢によって頭の形が偏りやすくなることや、多胎妊娠などで圧力が偏ることもあります。さらに、片側の首の筋肉が硬くなる筋性斜頸(きんせいしゃけい)があると、頭位が固定されやすく、ゆがみが進行しやすくなります。原因は一つとは限らず、複数の要因が重なることも多いため、丁寧な評価が必要です。

編集部

診察ではどのように評価し、どのような病気との鑑別が必要なのか教えてください。

片桐先生

診察では、頭頂部や後頭部の形、顔の左右差、耳の位置などを観察し、ゆがみの方向や程度を評価します。頭囲の測定や首の可動域の確認も重要です。必要に応じて3Dスキャナーを用い、形状を客観的に把握することもあります。特に鑑別が重要なのが、頭蓋骨の縫合が早期に閉じてしまう「頭蓋縫合早期癒合症」です。この疾患では頭の成長が制限されるため、治療方針が大きく異なります。実際の診療では、頭を触って評価することも非常に大切で、頭蓋の専門性がないと見分けが難しい場合もあります。クリニックを選ぶ際は、エコーやレントゲン、CTなどの検査環境が整い、病気の鑑別ができること、ヘルメット治療の経験数が十分にあることが重要です。

編集部

どのような場合に受診を検討すべきでしょうか?

片桐先生

頭の左右差が明らか、額や頬の位置にずれがある、片側だけを向き続けるといった場合は受診をおすすめします。生後3〜4カ月になっても向き癖が改善しない、耳の位置に前後差があるといった場合も注意が必要です。首がすわる前は治療方針を定めにくいこともあるため、首がすわってから相談すると判断しやすいケースもありますが、迷った段階で一度評価を受けることが安心につながります。

配信元: Medical DOC

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