全ナショナルセンターと連携、全領域で取り組みを
ExJは、日本に開発拠点がない海外バイオテック企業などを対象に、日本での治験実施や承認申請に向けた開発に関する相談やコンサルティング、マッチング支援などを通じて積極的に支援することによってドラッグ・ロス/ラグ解消を目指すものです。厚生労働省の事業で、国立がん研究センターが中心となりPMDA(医薬品医療機器総合機構)と連携して実施します。
がん領域での「プレキックオフ」という位置づけでスタートしましたが、ドラッグ・ロス/ラグの品目はがん領域に限られません。2026年度(4月)以降、国立がん研究センター以外の全ナショナルセンター(国立循環器病研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立健康危機管理研究機構、国立成育医療研究センター、国立長寿医療研究センター)とも連携し、あらゆる領域のドラッグ・ロス/ラグ対策に取り組んでいくといいます。
中村部門長は今後の展開について「諸外国では猛烈に治験の誘致活動が行われており、我々もそれらに伍してしっかりとアピールしていく必要があります。アピールするだけではなく、治験がやりやすいような国内の制度改革も同時に進め、それをタイムリーに伝えることが我々の使命だと思います」と説明しました。
「受け」「攻め」の戦略で日本と世界の懸け橋に
ExJが対象とするものとして、一つには海外で開発もしくは発見されてベンチャー化している製品の、日本での開発促進があります。これを「受けの戦略」と呼んでいます。
日本で事業展開を考えている海外のバイオテック企業がウェブサイトやメーリングリストから登録するとすぐに相談ができる体制を確立。実際に展開を検討する段階では、日本市場における可能性やポテンシャルなどに関して日本の専門家が検討した結果のレポートを提供します。相手企業がさらに相談を希望した場合、コンソーシアムに参加している日本の製薬メーカーやCROとのマッチングを行うまでがExJとしての公式なアクションになります。ただし、その先も両者が良好な関係で開発できるよう、引き続き随伴サポートを提供します。
もう一つ、「攻めの戦略」もあります。日本のメーカーがほしい、患者さんが必要としている、もしくは日本の医師が患者さんを治療するうえで「ほしいけれどない」薬をしっかり見極め、海外企業へ積極的に働きかけて日本に持ってくるというケースです。製薬メーカーやCROの希望を聞き、海外のバイオテック企業に対して、革新的な薬になる可能性について研究者視点からのアドバイスや、目的とは異なる疾患で開発中の薬について「この疾患で日本の企業と話をしませんか」と対象疾患を変えての開発提案などをします。
企業のコンソーシアムへの参加費は無料で、開発に関するノルマなどはありません。

国立がん研究センター研究所 ビジョナリー戦略室の鈴木敦室長は「日本のドラッグ・ロス/ラグを解消したいというパッションを持っている相手と、関係を構築したい」と、参入を呼びかけました。
間野理事長は「私が理事長に就任したときに自分に命じたのは、ドラッグ・ロス/ラグ解決に全力を傾けるということでした。転換点となるようなワンストップサービス事業が立ち上がることを幸せに思います。ENSEMBLE x Jが、日本と世界をつなぐ窓口、懸け橋になることを願っています」と期待を述べました。

