老老介護に事前に備えるためにやるべきこと

この章では、老老介護が深刻化する前に打てる対策を整理します。ポイントは、要介護認定やサービス導入を早めに検討し、相談先を固定して支援を組み立てることです。
要介護認定の早期申請
困り事が増えてから申請すると、サービス調整が間に合わず、家族の負担が急に跳ね上がりやすくなります。すでに介護が始まっている場合でも、転倒が増えた、認知機能低下が目立つ、排泄や入浴が難しくなったといった変化が見られた時点で、要介護認定の申請や区分変更の相談を検討します。
申請後は、訪問調査や主治医意見書を経て認定結果が出ます。結果が出るまでの期間も踏まえ、短期入所、配食、訪問介護、福祉用具など、早く導入できる支援から並行して整えると現実的です。
ポイントは、困り事を生活場面に落とすことです。例えば、夜間トイレが不安、入浴が週1回でも難しい、薬の飲み忘れが増えたなど、具体の事実で整理すると、必要な支援が見えやすくなります。
行政などの相談窓口との連携
老老介護は家族内だけで抱えるほど悪化しやすいため、相談先を固定することが大切です。まずは地域包括支援センターに状況を共有し、必要に応じて介護支援専門員につなぎます。介護支援専門員は、サービスの組み合わせだけでなく、緊急時の段取り、家族間の役割整理、施設検討のタイミングなども含めて調整役になります。
相談の準備としては、次の情報をメモしておくと話が早く進みます。
介護者と被介護者の年齢、持病、通院状況
できない動作と頻度(歩行、入浴、排泄、食事など)
転倒や救急搬送の有無、服薬状況
同居か別居か、家族の連絡体制、加えて、家族内の意思決定を早めに整えると、急変時に迷いが減ります。
連絡の優先順位と最終判断者
救急搬送の基準と受診先の候補
介護者が倒れた場合の代替手段(短期入所、家族の交代、民間サービスなど)
老老介護は、介護そのものだけでなく生活基盤の維持がテーマになります。支援を小分けにして導入し、介護者が休める時間を確保できるかが、在宅継続の鍵になります。
まとめ

老老介護は、高齢同士の同居介護が増えている傾向と、高齢者世帯や単独世帯の拡大という世帯構造の変化が重なって広がっています。家族の頑張りで回っているうちに支援が遅れるほど、転倒や急病など一つの出来事で生活が崩れやすくなります。
要介護認定の早期申請と、地域包括支援センターや介護支援専門員との連携を軸に、今の困り事を小さく分解して対策を積み上げることが、結果的に当事者の安心と家族の納得につながります。
参考文献
『2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況』(厚生労働省)
『日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和6(2024)年推計)』(国立社会保障・人口問題研究所)
『令和7年版高齢社会白書』(内閣府)

