「眠れないけれど、何科に行けばいいの?」そんな悩みが解消されるかもしれません。厚生労働省は3月6日、医療機関が看板などに掲げる診療科名に「睡眠障害」を組み合わせて表示することを認める方針を発表しました。受診のハードルを下げ、適切な医療へつなげる狙いがある今回の決定。睡眠不足が心身に及ぼすリスクや、日常生活で意識すべき改善のポイントについて、後平先生に詳しくお話を伺いました。
※2026年3月取材。

監修医師:
後平 泰信(医療法人徳洲会札幌もいわ徳洲会病院)
2009年に旭川医科大学医学部を卒業。循環器内科のスペシャリストとして、長年、札幌東徳洲会病院を中心に救急医療や心疾患の治療に従事。2023年には睡眠・無呼吸・遠隔医療センター長を歴任し、最新技術を用いた診療体制の構築に尽力。2024年より病院長に就任し、2025年10月の「札幌もいわ徳洲会病院」への名称変更。日本循環器学会 認定循環器専門医。日本睡眠学会 総合専門医・指導医。日本スポーツ協会公認 スポーツドクター。日本内科学会 認定内科医。
病院の看板に「睡眠障害」の文字が?厚労省の新たな方針
編集部
今回、厚生労働省が発表した内容を教えてください。
後平先生
医道審議会の部会において、標ぼう診療科名に関する基本的な考え方に基づいた議論がおこなわれた結果、「睡眠障害」を組み合わせで標ぼう可能な診療科名に追加することが適当であるとの結論が得られました。これを受け、医道審議会としては、「睡眠障害」を組み合わせて標ぼう可能な診療科名として適切であると判断し、今後は医学医術に関する学術団体への意見照会に進める方針です。これにより、医療機関が看板などに掲げられる診療科名として、ほかの診療科名と組み合わせる形で「睡眠障害」を表示できるようになる見通しです。
睡眠に関する悩みを抱える患者さんが、より適切な医療へアクセスしやすくなることが期待されます。
スマホ習慣から見直す。専門医が教える睡眠障害の基礎知識とケア
編集部
今回のニュースに関連する睡眠障害について教えてください。
後平先生
睡眠障害の中には多数の疾患が含まれます。なかなか寝つけない「入眠困難」、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、ぐっすり眠れたと感じられない「熟眠障害」など、様々な症状があります。眠れない日が続くと「また眠れないのでは」という不安が生まれ、その不安がさらに眠れない悪循環を引き起こすことがあります。不眠の原因は加齢を始め、うつ病などの精神疾患や身体疾患、薬剤の影響、カフェインやアルコールの摂取習慣なども関係しています。最も基本的なことは不適切な生活習慣、睡眠習慣を見直すことで、まずは就寝・起床時刻を一定にする、夜のスマートフォン使用を控える、夕方以降のカフェインを避けるといった生活習慣の見直しが大切です。
こうした工夫を2週間程度続けても、寝つきに30分以上かかる、夜中に3回以上目が覚めるなどの症状が改善しない場合は、一人で抱え込まず、早めに睡眠外来を受診するようにしましょう。

